[北京 7日 ロイター] - 国際自然保護連合(IUCN)は4日、ジャイアントパンダの野生個体数が増えたとして「絶滅危惧種」指定を解除し、レッドリストで1ランク下の「危急種」に引き下げた。これに対し、専門家から異論が出ている。
中国で「パンダの父」として著名な中国パンダ保護研究センターの張和民氏は6日夜、新華社に、ジャイアントパンダは依然深刻な脅威にさらされており、指定解除は性急と指摘した。
中国政府によると、2015年末時点で野生のジャイアントパンダは1864頭と、2001年時点の1100頭前後から増加。このほかに422頭が飼育されている。
張氏は「自然界におけるパンダの生息地は激しく分断され、生命の危機をもたらしている。(レッドリスト上の)指定が引き下げられれば保護活動が緩くなる可能性があり、それによりパンダ自身も生息地も取り返しのつかない損失を被る恐れが強まる」と述べた。
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