September 29, 2019 / 12:07 AM / 15 days ago

アングル:人民元はさらに下落へ、貿易協議のカードにも

[北京/香港 26日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は人民元が1ドル=7元の節目を突破するのを容認したのに続き、一段の下落を放置しそうだ。市場関係者らによると、米国の怒りを買うリスクを冒して貿易協議のカードに使う可能性もある。

9月26日、中国人民銀行(中央銀行)は人民元が1ドル=7元の節目を突破するのを容認したのに続き、一段の下落を放置しそうだ。写真は米中の紙幣と国旗。5月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

人民元は8月5日、2008年以来初めて7元台となり、市場に緊張をもたらした。元は8月全体で3.8%下落して過去25年間で最大の下げ率となり、トランプ米大統領が中国を「為替操作国」に認定する事態となった。

人民銀行は人民元を貿易交渉の武器に使っているとの説を否定するが、今月もなだらかな元安に誘導しようとしている様子は見える。

ただ、政策当局筋やアナリストによると、過去の人民元切り下げと異なり、当局が決まったレンジ内に元を縛り付けることはなさそうだ。

ウェストパック・バンキング・コーポレーション(シンガポール)のアジアストラテジスト、フランシス・チョン氏は、人民銀行は資本流出や市場の波乱を避けつつ7元突破を果たすのにやや苦心したため、「自ら新たな節目を設けるのは賢明ではないだろう」と言う。

チョン氏は年末の相場水準を1ドル=7.3元と予想した。これは26日終値に比べ2%安く、6月以来では6.4%の下落となる。

人民元のノンデリバラブル・フォワード(NDF)6カ月物CNY1YNDFOR=は1ドル=7.15元、1年物は7.19元。つまり他の市場参加者の多くは下落を予想しながらも、人民銀行が急激な元安を放置することには乗り気でないと考えているようだ。

人民銀行の元政策顧問、ユー・ユンディン氏は「一部の人々は、米中貿易戦争が激化すれば人民元は7.2─7.3元に下落すると予想しており、そうなる可能性は否定できない」とした上で、「1つ確実なのは、急激な下落にはならないということだ」と述べた。

人民銀行の考え方に詳しい別の筋は「7元の節目が破られた以上、中長期的に7.1元や7.2元が底値になると信じる者はいないが、7.3元を突破する可能性は小さい」と話した。

中国当局は人民元は貿易戦争の武器ではなく、武器に使えば中国経済を不安定化させると強調している。

しかしエコノミストらは、景気減速、貿易高の減少に加え、ユーロ安やドル高といった外部要因も重なって人民元は自然に下落するとみる。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのシニアエコノミスト、チー・ロー氏は、中国当局は人民元の切り下げを画策してはこなかったし、目標水準も設けていないが、貿易戦争が激化すれば1ドル=7.5元まで下がりかねないと予想した。

ロー氏は、そうした事態は中国に追い風になるかもしれないと言う。「中国が米国の株式市場に痛みを負わせるのに成功すれば、トランプ大統領を交渉のテーブルに引き戻し、何らかの譲歩を引き出す力になるだろう」

(Kevin Yao記者、Noah Sin記者)

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