October 31, 2014 / 9:36 AM / 4 years ago

東電の14年度上期経常利益2428億円、社長は黒字定着を否定

[東京 31日 ロイター] - 東京電力(9501.T)が31日発表した2014年4─9月期の連結業績は、経常利益が前年同期比71.4%増の2428億円だった。燃料費調整制度に基づく電気料収入単価の上昇に加え、夏の低気温による需要減や火力設備効率化による燃料費の減少が寄与し、増益を確保した。ただ、修繕工事の先送りにより利益をねん出した要因も強く、広瀬直己社長は会見で「黒字基調の定着にはほど遠い」と強調した。

 10月31日、東京電力が発表した2014年4─9月期の連結業績は、経常利益が前年同期比71.4%増の2428億円だった。東京で2012年7月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

15年3月期の連結業績予想は、柏崎刈羽原発の再稼働計画を示すことができないことなどにより、未定としている。14年3月期は、修繕工事費繰り延べによるコスト計上先送りにより3年ぶりの経常黒字(1014億円)を確保している。

通期で黒字化できるかどうかについて広瀬社長は具体的には言及しなかった。

<1800億円の費用先送り>

最大の費用項目の燃料費は4─9月期に前年同期比5.9%減の1兆2859億円と第2・四半期としては5年ぶりに減少。円安による負担増(同430億円)はあったが、需要減少による負担減(650億円)と最新鋭の火力設備の導入による効率向上(590億円)が寄与した。

東電は前日、社内に設置した「生産性倍増委員会」で2013年度のコスト削減実績約8200億円のうち1800億円程度が、工事の繰り延べなどによるとの分析結果を発表。14年度以降に、繰り延べ分の顕在化をどこまで抑えることができるかが、足元での経営上の重要課題になっている。

広瀬社長は、工事繰り延べにより黒字を維持しつつ安定供給を確保するという不安定な状況について「(必要な費用計上が)後ろにシフトしている。(費用を)100(先に)動かしたら、次期以降に90、80で何とかできるのか、コストダウン策を積み上げていかないといけない」と述べ、当分に間は、ぎりぎりのやり繰りを続けざるを得ないとの見方を示した。

燃料費調整による単価上昇は、制度上の仕組みにより遅れて発生した増収効果。「制度上の問題で大きな(利益の)数字が出た」(広瀬社長)と、安定的な収支改善要因ではないとの認識だ。

<再値上げも原発再稼働も困難な前途>

コスト先送りで3年連続赤字を回避した13年度、気温低下による需要減や制度上の仕組みで増益効果が出た14年度上期では、黒字定着は見込めないとする同社。コスト削減の余地を引き続き追求するが、黒字定着には、電気料金の再値上げか原発再稼働いずれかが即効性がある方策には違いない。ただ、両手段とも前途は厳しい。

同社は原発再稼働が見込めない場合は、コスト削減の成果を見極めたうえで、年末までに電気料金の再値上げを判断する意向だ。再値上げの検討状況について広瀬社長は「自由化に向けて値上げは避けたい。最後の手段としてそれ(値上げ)を考えないとは言えないが、どこまで(コスト削減を)できるのか見極めたい」と述べた。

年末は、政府が消費税率引き上げの是非を判断するタイミングと重なる。広瀬社長は「そうしたことも(値上げ判断に)影響すると思う」と語り、値上げに踏み切りにくい環境にあるとの認識を示した。

同社としては「(収支安定化には)柏崎刈羽の再稼働はどうしても必要」(広瀬氏)との認識は変わりないが、原子力規制委員会による6、7号機の審査は緒に着いたばかりなうえ、新潟県の泉田裕彦知事は再稼働に批判的な姿勢を崩していない。

広瀬社長は「柏崎刈羽の再稼働がいつかと、収支をどうもっていくのかは、無関係ではないが、別の話だと思う。(再稼働が)いつなのか申し上げるのは難しい」と述べた。

*情報を追加しました

浜田健太郎

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