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アングル:米株式市場、今週も乱高下か 個人の物色対象拡大も

[ボストン/ロンドン 31日 ロイター] - 米株式市場では、今週も乱高下が続くのではないかとの見方が出ている。

米株式市場では、今週も乱高下が続くのではないかとの見方が出ている。写真は米ウオール街、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Mike Segar)

先週は、ビデオゲーム販売のゲームストップや映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングスなどの銘柄に個人投資家の熱狂的な買いが入ったが、個人投資家の間では物色対象をさらに拡大する兆しが出ている。

大量の空売りを仕掛けていた一部のヘッジファンドは、個人の買いを受けて多額の損失を計上。ゲームストップ株の急騰劇に翻弄されたヘッジファンドのメルビン・キャピタルは、1月の運用成績がマイナス53%となった。

メルビンの1月末時点の運用資産残高は80億ドル超。年初は125億ドルだった。

メルビンは、業績が低迷しているゲームストップの株価が値下がりすると予想。ゲームストップ株は5カ月前、1株5ドル以下で取引されていた。

だが、レディットの投稿を見た個人投資家がオンライン証券のロビンフットを通じて買いを仕掛けたことを受け、同株は1月に1625%上昇し、先週末終値は325ドルに達した。

メルビンは、ヘッジファンドのポイント72アセット・マネジメントとシタデルから27億5000万ドルを調達し、多額の損失を計上しながら、ゲームストップ株のポジションを解消した。

市場では、多くのヘッジファンドが損失を出したとの報道を受けて、一部のファンドが閉鎖に追い込まれるのではないかとの観測も浮上しているが、投資家やファンドマネジャーの間では、これまで実績を残してきたファンドは、今回の損失を乗り越えられるとの見方が出ている。

空売りを専門とする米投資情報会社シトロン・リサーチも29日、今後は空売りに関するリポートを公表しないと表明。シトロンを率いるアンドリュー・レフト氏は、ゲームストップのビジネスモデルは死に体で、株価は将来的に急落するとの見方を改めて示した。

アビバ・インベスターズのマルチアセット・ファンド担当トップ、サニル・クリシャナン氏は「新たな投資家層が力を見せつけた。個別株の命運を左右するだけでなく、ラッセル2000指数など大きな市場セグメント全体の命運を左右する力を持っている」と指摘した。

ゴールドマン・サックス・グループの分析によると、株価が乱高下する中、米ヘッジファンドが先週、売買した株式は約10年前の金融危機以降で最高となった。ショートポジションを巻き戻し、ロングポジションを解消する動きが広がった。

ただ、ヘッジファンドの株式へのエクスポージャーは、依然として過去最高に近い水準にあり、ポジション調整の売りが続くリスクがあるという。

<銀市場にも波及>

先週の市場を動かした個人投資家の間では、米国株だけではなく、他の市場にも目を向ける兆しが出始めている。

先週28-29日の市場では、銀の価格が急騰。銀価格はSNS(交流サイト)のレディットで個人投資家に銀の購入を呼び掛けるメッセージが拡散し始めて以降、約10%値上がりしている。金価格も上昇した。

市場関係者は、これまで機関投資家が主役だった金融市場で、個人投資家の存在感が増していることに注目している。

ジャナス・ヘンダーソンのマルチアセット担当責任者、ポール・オコナー氏は「大量の個人投資家が市場の風景を変え始めているというのが、数カ月前から起きている予想外の現象だ」と指摘。

「数カ月前のデータを見れば、先週動き出した個人投資家とは別に、そうした動きが始まっていたことがわかる」と述べた。

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