January 22, 2019 / 1:01 AM / a month ago

ロイター企業調査:ゴーン事件、「自社では起きない」9割

[東京 22日 ロイター] - 1月ロイター企業調査によると、回答企業の大半が日産自動車(7201.T)のゴーン前会長の報酬を巡る問題は自社では起こり得ないと考えており、役員報酬委員会の設置も6割超の企業が検討していないことが明らかになった。

 1月22日、1月ロイター企業調査によると、回答企業の大半が日産自動車のゴーン前会長(写真)の報酬を巡る問題は自社では起こり得ないと考えており、役員報酬委員会の設置も6割超の企業が検討していないことが明らかになった。パリで2017年撮影(2019年 ロイター/Philippe Wojazer)

役員報酬の水準が国際的にみて低いという議論もあるが、現状程度で良しとする回答が半数超を占めた。

調査は1月7日から16日にかけて実施。資本金10億円以上の中堅・大企業480社に調査票を送付し、250社程度が回答した。

ゴーン前会長の報酬を巡る問題と似たような事案が自社で「起こり得る」との回答は13%にとどまった。

しかしその中には「役員報酬は社長が一存で決定し、ブラックボックス化している」(電機)、「取締役の報酬総額のみが取締役会で決議されており、個々の金額は決議されていない」(卸売)など、日産自動車と似たような状況の企業もある。また、「社外取締役のチェック機能強化は道半ば」(サービス)という企業もある。

一方で「全く起こり得ない」との回答は87%に上る。

「自社ではガバナンス体制が機能している」(輸送用機器)との指摘が非常に多いほか、「株主総会および取締役会の決議に基づく厳格な報酬制度と、適切な開示を実行している」(金属製品)などと、報酬決定プロセスの設定を挙げる企業も多い。

「日産自動車は特異な例」(化学)、「虚偽の有価証券報告書の作成は、監査法人や税務当局と十分協議して対応していれば起こりにくい」(サービス)として、ゴーン前会長の件は例外的な問題だとみている企業も目立つ。

ガバナンスが効いているとの回答は目立つものの、最高経営責任者(CEO)などトップ人事の指名委員会や、報酬委員会を設置している企業は2割程度で、この先設定する予定もないと回答した企業が過半数を占めた。

委員会をすでに設置している企業は21%にとどまる。設置する予定の企業は15%なのに対し、設置の予定はないとする企業は64%に上る。

CEOへの報酬について、ゴーン前会長が欧米の主要企業トップと比較して水準が低いことに言及していたが、役員報酬を「引き上げるべき」との回答は41%となった。

「世界の有能な人材を確保する上で必要」(鉄鋼)、「日本の本社社長が、海外グループ会社社長より報酬が低いのは違和感がある」(機械)など、日本企業のトップの報酬水準がグローバルスタンダードになっていない点が指摘されている。

さらには「給与水準の底上げにつながる」(建設)との指摘も多いほか、「業績に連動したモチベーションアップ」(金属製品)を挙げる声もある。

他方で「現状程度でよい」が56%と過半数を占めた。最も多かった理由としては「社内の大きな賃金格差は従業員のモチベーション低下につながる」(輸送用機器)など、賃金格差への懸念が挙げられている。

厳しいコストダウンが求められている中での役員報酬引き上げは従業員にとって受け入れ難く、「組織の一体感を醸成するのに障害となる」(電機)というのが「日本の企業文化」(多くの企業)との指摘がある。

中川泉 編集:石田仁志

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