May 7, 2018 / 4:35 AM / 6 months ago

コラム:現実味を増す「ロボット版」バフェット氏

[オマハ 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 著名投資家ウォーレン・バフェット氏のロボット版も、もはや荒唐無稽な話ではなくなってきた。

 5月5日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏(写真)のロボット版も、もはや荒唐無稽な話ではなくなってきた。オマハで撮影(2018年 ロイター/Rick Wilking)

バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)が5日開いた年次株主総会には、彼の説話を聞こうと4万人の株主が詰めかけたが、金融とハイテクの融合が進む今、彼が半世紀かけて磨き上げてきた手法は時代錯誤の感が強まっている。

同業の米パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)はデータエンジニアの引き抜きに余念がなく、ラザード・アセット・マネジメントは人による銘柄選別と機械を組み合わせた「クオンタメンタル」戦略を推進中だ。そして、従業員1400人の大半がデータ専門家のトゥー・シグマ(運用資産500億ドル)は今や、世界最大級のクオンツ系ファンドだ。

かたやバフェット氏はオフィスにコンピューターさえ持っていない。

「自分が理解できないものには手を出さない」というバフェット氏の戦略はこれまで概ね功を奏しており、例えばドットコム・バブルの巻き添えになるのを逃れた。もっともバークシャー最大の保有株は今やアップル(AAPL.O)で、第1・四半期にはさらに買い増している。

しかも今のところ、投資業界に参戦したデータ専門家が成果を収める兆しは見えない。

人口知能(AI)技術を用いたファンドの成績を示すユーレカヘッジAI指数の過去1年間のリターンは9.5%と、ヘッジファンド業界全体の8.7%を上回ったが、バークシャーはその2倍だ。過去3年間で見ると、バークシャーとAIのリターンは年率10%で肩を並べている。

しかしAIの台頭によって、バフェット氏は強みの1つを失いかねない。それは、不合理な決定を避ける能力だ。合理的、客観的、冷静に行動する、つまり賢く銘柄を選んであくまで慎重に売ることは、バフェット氏の投資スタイルにおける柱の1つだ。

同氏の相棒であるチャールズ・マンガー氏が解説している人の行動モデル体系によると、大半の人々が陥る無意識のバイアスや反応を避けることができれば、市場平均を凌ぐことが可能だ。バフェット氏は「興奮すべきでないときに興奮するな」と戒めているが、これはAIに基づく投資の基礎と一致する。

もっとも、バークシャーには他にも強固な砦がある。

傘下の保険事業が生み出す保険料によって長期資金を確保できる上、低利の債務で株式投資にレバレッジをかけられる。もう1つはバフェット氏の持つ魅力であり、これにより他の投資家には不可能な取引を成立させてきている。最近の例としては、バークシャーが筆頭株主である米建設資材メーカーのUSG(USG.N)を促し、ドイツの同業クナウフによる敵対的買収の交渉に応じさせた。さらには、バークシャーは投資家に手数料を一切課しておらず、従業員が少ないため人事部もない。

コンピューターにはバフェット氏の人心掌握術も真似しにくいかもしれない。年次株主総会ではバーベキューのほか、プロバスケットボール選手や人気歌手のビデオ上映などで投資家を楽しませた。

87歳のバフェット氏と94歳のマンガー氏が引退した後も、こうした求心力を保てるかは不明だ。とはいえ、アルゴリズムはまだ忠誠心の獲得法を習得できていない。

●背景となるニュース

・バークシャー・ハザウェイの年次株主総会が5日にネブラスカ州オマハで開かれ、株主など約4万人が集った。

・バークシャーの1─3月期決算は11億ドルの純損失となった。これには、会計基準の変更などによる保有株式の評価損80億ドルが含まれている。営業利益は50%増の53億ドルだった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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