[チューリヒ 4日 ロイター] - スイスの製薬大手ロシュのセベリン・シュバン最高経営責任者(CEO)は4日、新型コロナウイルス検査の需要が今年も拡大するため、利益と売上高の増加に寄与するとの見通しを示した。
ロシュは2021年の売上高が為替変動の影響を除いたベースで1桁台前半から半ばの増加率となり、1株当たりの中核利益も同様の伸びになると予想している。
2020年第4・四半期決算は医薬品の売上高が102億スイスフラン(113億ドル)と7%減少する一方で、診断薬の売上高は41億フランと28%増加した。
2020年通年では純利益が前年の141億フランから151億フランへ増加した。
売上高は前年の615億フランから5%減少し583億フランとなった。スイスフランがドルなどに対して上昇したことが主な要因。為替変動の影響を除いたベースでは1%の増収だった。
チューリヒ・カントナル銀行のアナリストは同行の予想を下回ったと指摘した。
新型コロナ感染を懸念して医療機関の受診を控える動きが広がっており、医薬品の販売を圧迫する形となっている。
ロシュの幹部はワクチンの接種が進めば状況の改善が期待できるとし、上半期の医薬品事業は厳しいものの、下期は好転するとの見方を示した。
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