[東京 29日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は29日午後の会見で、ロシアが北方領土の国後島と択捉島などで同日から軍事演習を開始したことに対し、北方領土は日本の固有の領土であり、軍事演習は日本の立場と相容れないとの見解を示した。
加藤官房長官は「わが国の立場と相容れず、抗議した」と述べた。また、北方4島はわが国の主権に属するとの立場に変更はないと指摘した。
その上で「日ロ関係を重視していることに変わりはない」とし、政治、経済だけでなく文化を含めた幅広い範囲で交流していく方針を示した。
ただ、菅義偉首相のロシア訪問に関しては「何ら決まっていない」と語った。
29日夜には、日ロ首脳による電話会談が行われる予定と複数の国内メディアが報道しているが、加藤官房長官は「調整中である」と述べるにとどめた。
国内報道では、今回のロシアの軍事演習は、日ロ首脳の電話会談を前に日本をけん制する意図があるとの観測も伝えられている。
一方、NTT9432.Tが29日、NTTドコモ9437.Tの完全子会社化に向け、公開買い付け(TOB)を実施すると発表したことについて、加藤官房長官は「コメントは差し控える」とした。
ただ、携帯料金の引き下げ余力が増したとの報道が出ていることに関連して、NTTなど通信各社が「国際水準などを参考に、積極的に検討していくことを期待したい」と述べた。
田巻一彦
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」