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アングル:ロシアの弁護士、軍招集回避の相談殺到で大忙し

[4日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領が9月21日にウクライナ戦争への部分動員令を出して以来、同国ではパニックになった人々から弁護士に招集回避の相談が殺到している。弁護士は、昼夜を問わず市民への助言に全力を尽くす毎日だ。

 ロシアのプーチン大統領が9月21日にウクライナ戦争への部分動員令を出して以来、同国ではパニックになった人々から弁護士に招集回避の相談が殺到している。写真はレニングラード州で1日、動員令を受けて基地に向かう前に家族に別れを告げる予備兵(2022年 ロイター/Igor Russak)

30万人を動員する指令が出て以来、カザフスタン、グルジア(現ジョージア)、フィンランドなどに数十万人が脱出。ロシア国内にとどまり、身を隠しながら招集回避を祈る人々の数はさらに多い。

約10人の弁護士を束ねる市民団体「市民・軍・法律」を率いるセルゲイ・クリヘンコ氏は「私たちは24時間働きづめだ」と言う。

「人々は日常生活から引きはがされようとしている。戦争が続く限り無期限の動員なので、数カ月、いや数年間に及ぶ恐れがある。帰って来られないかもしれない。部隊から離れるのは不可能に近い。死ぬか、負傷するか、命令への不服従で投獄されるしか方法は無いのだ」と述べる。

動員は混乱を極めている。部分動員令には、対象者は軍務・戦闘経験や特殊な軍事スキルを持つ者だと記されているが、実際には兵役経験や健康状態、学生であること、さらには年齢を問わずに招集される事例が多々ある。

プーチン大統領は先週ミスがあることを認め、修正しなければならないと表明。「例えば、何人も子どものいる父親や慢性疾患を持つ人々、既に招集年齢を超えた人々などを(外すことを)考えている」と述べた。

極東ハバロフスク地方の知事は3日、最近招集した男性のうち約半数が動員の基準を満たしておらず帰宅したとし、招集責任者を更迭したことを明らかにした。

<今すぐロシア脱出を>

ソーシャルメディアでは、招集回避方法のヒント集や、健康上の理由による招集免除、「良心的兵役拒否」についての申請書類、その記入法が出回っている。

人権弁護士パベル・チコフ氏は3日、自身とそのチームが企業従業員1万人を対象に、招集回避のアドバイスを行うオンラインセミナーを実施したと述べた。同氏のメッセージアプリのフォロワー数は過去2週間で3倍以上に増えて46万6000人に達したという。

基準を満たさないのに招集された人々の事例は、山火事のような勢いで拡散されている。

クリヘンコ氏は「われわれの所に相談に来る人々は、パニックになっている。何が起こっているのか分からないのだ。軍はだれかれ構わず招集しており、法律上はだれでも招集できることになっている」と語った。

法的な助言と情報を提供する団体「リリース」を共同運営するドミトリー・ルツェンコ氏は「徴兵を逃れる最良の方法は、今すぐロシアを離れることだ」と言い切る。

次善の策は、隠れることだとルツェンコ氏は指摘する。「兵役を逃れた場合の刑罰は小さく、これまで処罰された人は知らない」という。

ロシア南部出身のキリルさん(26)は、ペットを置いて逃げるわけにはいかないので地下に潜ったと明かした。軍が把握している住所には住まず、働いて日銭を稼いでいる。「そう簡単に僕をつかまえることはできない」と語る。

弁護士のアレクセイ・タバロフ氏は、年齢の高い男性よりも若者や女性から相談を受けることの方が、ずっと多いとフェイスブックに記した。年齢の高い男性は、往々にして宿命論的で権威に従順な言葉を口にするという。

「多くの男性が志願して軍の基地に行く様子も目にする」とタバロフ氏。「どうして行ったんだ、と叫びたい。走れ、逃げられるうちに逃げろと。だが、彼らは静かに並んで待っている。いったい何を待っているのだろうか」と嘆いた。

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