January 17, 2020 / 6:20 AM / 7 months ago

アングル:無名のロシア新首相登場、市民は経済停滞打破に期待感

[モスクワ 16日 ロイター] - ロシア議会下院は16日、プーチン大統領によるミハイル・ミシュスチン連邦税務局長官(53)の新首相指名人事を賛成多数で承認したが、モスクワ市民の間でミシュスチン氏の名前を聞いたことがある人は、ほとんどいない状態だった。

しかし、国内経済の停滞で懐が寒く、うんざりしてきた多くの市民は、長らく首相の座にあったメドベージェフ氏が突然、内閣総辞職に動いたことを歓迎し、ようやく待ちに待った政府首脳部の抜本的な交代が実現したとの思いを抱いている。

22歳の演劇俳優、アルトヨムさんは「お偉方もまったくの愚か者ではなかったのさ。何らかの改革が必要だと理解はしていたのだからね」と話す。

前任のメドベージェフ氏は2012年から首相として経済のかじ取りを担ってきたが、14年のロシアによるクリミア編入以降、実質賃金は減少し始め、物価上昇に伴って市民の生活水準は切り下がった。

アルトヨムさんは「もし、この状況が続いていれば、経済の停滞が深刻化し、ある種の革命が起きて皇帝(プーチン氏)が打倒されかねなかった」と事態の厳しさを指摘した。

改革を切望していた人々なら、なぜプーチン氏がメドベージェフ氏を辞任させたか説明できるだろう。メドベージェフ氏はプーチン氏の側近で子飼いの1人だが、14年からずっと支持率が下がり続けている。

ある野党政治家は「政権にとって、全面的な改革と社会問題に取り組むという約束、人々を大事にする姿勢を明示することが不可欠になっている。それも人々が『これは本気だ』と受け止めてくれる方法で」と説明した。

複数の専門家は、メドベージェフ氏はもはや政治的な「お荷物」で、同氏の退場は「本当の改革」がやってくるという印象をもたらす効果があるとの見方を示した。

<超然とした前任者>

メドベージェフ氏は本人こそ否定するものの、汚職に関与しているとのうわさが絶えない。また、メディアからは、プーチン氏が演説している間ずっと居眠りしていると、からかわれている。

テレビ局で編集の仕事をしている42歳のウラジミールさんは「多くの人は、もうメドベージェフ氏には飽き飽きしているし、彼を無能と考えている」と言い切った。

かつてメドベージェフ氏は、高齢女性の団体を前に、あなた方が抱える問題を解決するための資金はないので「自分たちで何とかしろ」と言い放ったことがあり、この発言と同氏のある種「超然」と壁をつくっているイメージを結びつける向きも多い。

これに対して眼鏡をかけ、頭髪の薄いミシュスチン氏は、16日の下院における質疑を見ると、学校の先生のような雰囲気が漂う。

1月16日、ロシア議会下院はプーチン大統領によるミハイル・ミシュスチン連邦税務局長官(写真)の新首相指名人事を賛成多数で承認したが、モスクワ市民の間でミシュスチン氏の名前を聞いたことがある人は、ほとんどいない状態だった。露下院で撮影(2020年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

市民からはもう少し若手が首相になってほしかったとの声も聞かれた。50歳の医師、ナタリアさんは「新世代が政治に携わり、40-45歳の人々が政府に入るべきだ。ちょうどプーチン氏が政権を初めて掌握した時のように」と要望する。

一方、プーチン氏が主導した内閣総辞職とメドベージェフ氏の退陣は、意味のない見せかけの首相交代に過ぎないと冷ややかに見ている人々もいる。69歳のウラジミールさんは「彼ら(政府当局)は市民を愛していない。それが問題だ。人々がどれだけ貧しくなったかに目を向けてくれ」と訴えた。

(Tom Balmforth記者 Anton Derbenev記者)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below