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情報BOX:ウクライナ危機、日本企業のロシア事業に影響

[東京 3日 ロイター] - 西側諸国がロシアへの制裁措置を強化し、各国からウクライナ軍事侵攻への非難が強まる中、日本企業のロシア関連事業にも影響が広がり始めた。

 3月3日、西側諸国がロシアへの制裁措置を強化し、各国からウクライナ軍事侵攻への非難が強まる中、日本企業のロシア関連事業にも影響が広がり始めた。写真はウクライナの旗。キエフで2016年3月撮影(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

日ロ貿易は資源輸入の割合が大きく、日本側の貿易赤字が続いている。2021年の輸入額は1兆5431億円で、液化天然ガス(LNG)を含む鉱物性燃料が61.3%と過半を占め、銀や白金、半導体生産に用いるパラジウム等の原料別製品が22.6%、魚介類や甲殻類といった食料品が9.1%、木材等の原材料が5.1%を占める。

同期間の輸出額は合計8624億円。自動車関連が目立ち、自動車が41.5%、一般機械が20.2%、タイヤ用ゴム等の原料別製品が8.3%だった。

●マツダ

ウラジオストクの合弁工場向けの部品輸出を、予約済みのコンテナが終了した時点で止める。現地に在庫がある限りは生産・販売を続ける。2021年はロシアで約3万台を販売した。

●トヨタ自動車

ロシアでの自動車生産と完成車の輸入を4日から当面の間、停止する。欧州や日本からの部品調達が滞り、安定的なサプライチェーン(部品供給網)の維持が難しくなっているほか、ロシアに完成車を輸送する運搬船の一部にも影響が出ている。再開時期は未定。

●ホンダ

ロシア向けの四輪車と二輪車の輸出を一時停止した。物流と金融の混乱で、製品輸送と決済に影響が出ているという。ロシアにおけるホンダの四輪車販売台数は2020年度に1406台だった。

●伊藤忠商事、石油資源開発、丸紅、INPEX

参画するサハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」から米石油大手エクソンモービルが撤退を決定。

サハリン1は、日本の官民で作るサハリン石油ガス開発が3割の権益を保有。同社には経産相が50%、伊藤忠がグループで約16%、石油資源開発が約15%、丸紅が約12%、INPEXが約6%出資している。ロシア石油大手のロスネフチ、インド石油天然ガス公社も同事業に参画している。

●三菱自動車工業

ロシアでの生産・販売ができなくなる可能性。現地での決済がルーブル建てのため、支払い停止で部品供給が止まる可能性は低いものの、部品供給が滞るなどサプライチェーン(部品供給網)上の影響が出る恐れがあるとしている。

生産拠点は欧米大手ステランティスとの合弁工場で、モスクワ南西に位置するカルーガにある。三菱自はロシア国内など向けにスポーツ多目的車(SUV)の「パジェロスポーツ」や「アウトランダー」を生産している。

●三井物産、三菱商事

参画するサハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」から英石油大手シェルが撤退を決定。三井物産は「シェルの発表内容の詳細を分析中。日本政府とパートナーと検討を進めていきたい」、三菱商事は「シェルの発表内容の詳細を分析の上、日本政府およびパートナーとの検討を進める」としている。

サハリン2にはロシアのガスプロムが約50%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%出資している。三菱商事によると、年間のLNG生産能力はおよそ1000万トンで、約6割を日本向けに供給している。

●コマツ

2月28日時点で取引や決済ができない状況にはなっておらず、すべてのオペレーションが通常通り。制裁措置の影響を精査するため、社長をトップとする緊急対策本部を立ち上げた。

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