[モスクワ 17日 ロイター] - ロシア大統領府のペスコフ報道官は17日、前日の米ロ首脳会談がロシアにとって前向きなものだったとし、特に共同声明で核戦争を回避する必要性が強調された点を成果に上げた。ロシアの民間ラジオ局「モスクワのこだま」に語った。
バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は16日、スイスのジュネーブで会談し、サイバーセキュリティーや核軍縮に関して2国間対話を開始することで合意した。一方、人権問題やウクライナ情勢については、溝が浮き彫りになった。
首脳会議に同席したペスコフ報道官は、会議はおおむねロシアが予想した通りに進み、「ロシアとしてはうまくいった」と発言。両首脳がそれぞれの立場を直接説明し、見解の相違から協力できる分野とできない分野をおおむね理解する機会が持てたという点で首脳会議は建設的だったと語った。
また、共同声明で両首脳が「核戦争に勝者はなく、核戦争を始めてはいけないという原則を再確認した」と表明したことについて、「短い文言であるが、自国民だけでなく、全世界に対する両国の特別な責任を反映したものだ」と述べた。
ペスコフ氏は、首脳会議では米ロの囚人交換に向けた実務協議の土台が築かれたと発言。交換する囚人のリストはまだ整理中だが、公に議論されているよりも対象者ははるかに広範囲に及んでいると述べた。また、この協議は非公開で行われる必要があるとした。
一方、ロシアのリャブコフ外務次官は、米ロ首脳会談で合意した軍縮関連協議が数週間以内に始まる見込みとの認識を示した。
同氏は日刊紙コメルサントに対し、共同声明で核戦争の回避が確認されたことは「重要な成果だ」と指摘。「率直に言えば、われわれはここ数年、米政府が核戦争回避の方針を支持する用意があるのか懸念を募らせていた」と明らかにした。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」