[プレトリア 30日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は30日の会合で、主要政策金利のレポ金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ7.75%とした。なお高水準にあるインフレへの対応を継続する。
ロイターがエコノミストに対して実施した調査では、25bp利上げが予想されていた。
利上げは9回連続となり、2021年11月に金融引き締めを開始して以来、利上げ幅は計425bpとなった。
金融政策委員会(MPC)の5人の委員の判断は分かれた。3人が50bp利上げ、2人が25bp利上げを主張した。
中銀が予想の倍の幅での利上げを決定したことを受け、南アフリカの通貨ランドはそれまでの上昇幅を拡大し、対ドルで2%近く上昇した。
南アフリカ統計局が22日に発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と、伸び率が1月の6.9%から拡大。全国的な計画停電で物価上昇圧力が高まっている可能性が強まった。
ハニャホ中銀総裁は記者会見で「生産者物価と食品価格の上昇は幾分か緩和したものの、世界的な物価水準はなお高止まりしている」とし、インフレ見通しに対するリスクは上向きに傾いていると指摘。総合インフレ率は2024年に4.9%、25年に4.5%になるとの見方を示した。
中銀はインフレ目標を3─6%に設定している。
スタンダード・チャータードのマネジング・ディレクター兼アフリカ・中東担当チーフエコノミスト、ラジア・カーン氏は「中銀の決定はサプライズだった」と指摘。FNBのチーフエコノミスト、マメロ・マティキンカ・ングウェンヤ氏は「今回の決定会合前は利上げサイクルはこれで終わるとの見方が出ていたが、見通しは不透明になった」と述べた。
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