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サムスン電子の第2四半期、利益の伸び鈍化 モバイル事業不振で

[ソウル 31日 ロイター] - 韓国のサムスン電子005930.KSが31日発表した第2・四半期決算は、利益の伸びが1年超ぶり低水準となった。半導体事業は引き続き好調だったものの、最新スマートフォン「Galaxy(ギャラクシー) S9」の販売低迷などが利益を圧迫した。

 7月31日、韓国のサムスン電子が発表した第2・四半期決算は、利益の伸びが1年超ぶり低水準となった。写真は同社ビル前看板。ソウルで3月に撮影(2018年 ロイター/Kim Hong-Ji)

第2・四半期の営業利益は前年同期比5.7%増加し、14兆9000億ウォン(133億ドル)。同社が先に示していた見通しの14兆8000億ウォンをやや上回った。

第2・四半期の売上高は4%減の58兆5000億ウォンで、自社見通しと一致した。

モバイル事業の営業利益は前年比34%減の2兆7000億ウォン。減少幅は2017年第1・四半期以来の大きさとなった。安価な中国メーカー製との価格競争で利益率は圧迫されている。

サムスンは、「Galaxy S9」の売り上げが自社予想に届かなかった上に販促費が増加したことがモバイル事業の業績の重しとなったと説明した。

また、新型モデルが発売される下期に競争が一段と激化すると予想。これに対応するため、同社のスマホ「ギャラクシー ノート」の新モデルの投入を、通常よりも早い来月初めに前倒しすることで、売り上げ拡大を図るとした。

売上高の約40%を占めるモバイル事業は「ギャラクシー」シリーズ製品の販売不振で苦戦が続く。決算発表では、サムスンのモバイル事業の急速な回復を期待させる材料は示されなかった。

サムスン株を保有するHDCアセットマネジメントのファンドマネジャーは「サムスンは価格競争で中国勢にすでに敗れており、デザインやハードウエアの面でも中国製品に負けかねない」と指摘。「サムスンが消費者の新型スマホへのニーズを十分にくみ取らない限り、容易には戦えない」と語った。

調査会社カウンターポイント・リサーチによると、ギャラクシーの最新モデル「ギャラクシー S9プラス」は7月に、アップルの「iPhone(アイフォーン)8」に世界で最も売れているスマートフォンの座を奪われた。

中国とインドでは、低価格スマホを販売する小米(シャオミ)1810.HKや華為技術(ファーウェイ)HWT.UL などの中国勢に市場シェアを奪われている。

サムスンのモバイル事業の不振が、同社に起因するものなのか、あるいは業界全体の伸び悩みを反映したものかどうかはまだ分からない。

第2・四半期はモバイル事業が苦戦する一方、半導体事業は好調を維持し、営業利益は11兆6000億ウォンと前年比45%増え、過去最高を記録した。

NAND型フラッシュメモリの価格は下落したが、クラウド・コンピューティングや仮想通貨向けの需要増加でDRAM価格が上昇し、利益を押し上げた。

サムスンは、利益への貢献度が最も高い半導体事業について、サーバーのデータセンター用需要の伸びを背景に下期も堅調を維持するとの見通しを示した。

サムスン電子の株価は0415GMT時点で0.54%安。

*内容を追加しました。

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