[東京 24日 ロイター] - フジ・メディア・ホールディングス4676.T傘下のディベロッパー、サンケイビル(東京都千代田区)は、グランビスタホテル&リゾート(東京都中央区)の買収をきっかけにホテル事業を強化していく。同社の飯島一暢社長がロイターとのインタビューで語った。
サンケイビルは今年3月、ホテル保有・運用会社のグランビスタを政府系ファンドの地域経済活性化支援機構から再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ〔東京都千代田区〕と合同で買収した。
不動産価格の高騰に伴って、オフィスやマンション開発が容易でなくなった中、サンケイビルは新たな収益の源泉をホテル業に求める戦略を昨年からとっていた。そこにグランビスタの入札の話が持ち上がり「我々としては願ったりかなったり」ということで、取得に至ったという。
昨年行われた1次入札にサンケイビルは参加しておらず、1次入札を勝ち残ったジェイ・ウィルと組んで、2次入札から参加したことも明らかにした。
グランビスタを取得した合弁会社の持ち分の過半数をサンケイビルが持ち、将来ジェイ・ウィルが持ち分を売却することになれば、それを買い取る計画であるという。
今後も収益性に見合う物件があれば積極的に取得を考えており、案件のパイプラインもある。「ホテルを売却したいという地方の企業のオーナーがなどから持ち込まれる案件が多い」としている。
ブランビスタの保有する施設には、札幌グランドホテルや札幌パークホテルなどの老舗ホテルのほか、鴨川シーワールドのようなレジャー施設もある。これらの施設を含め築年数を経ている施設があるが、現状でも収益性が高いので、東京オリンピックが開催される2020年までは、どの施設も再開発をしない考えであるとした。
オフィスビル開発については、東京駅周辺のオフィス街には今後も、高層で新しいSクラスのビルの建設が続くとして、2020年前後にはそのエリアの需給がひっぱくするかもしれないと予測。
今後は渋谷や青山などに「S-GATE」のブランドで中規模のオフィスビルを建設したいとしている。すでに赤坂に「S-GATE赤坂」を建設中で、今年7月に竣工予定。
藤田淳子 編集:田巻一彦
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