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コラム

コラム:サウジアラムコのIPO中止、投資銀行はここからが勝負

 8月22日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが新規株式公開(IPO)計画を中止し、ファイナンシャルアドバイザーの投資銀行チームを解散したと、ロイターが伝えた。サウジアラビアにあるアラムコの施設で2018年5月撮影(2018年 ロイター/Ahmed Jadallah)

[ダラス 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが新規株式公開(IPO)計画を中止し、ファイナンシャルアドバイザーの投資銀行チームを解散したと、ロイターが22日伝えた。投資銀行にとってはむしろ、ここからが勝負かもしれない。バンカーらは、野心的過ぎるIPOを、渋る市場に売り込む必要性から解放された。もっとすんなりと実行できそうなサウジ関連の案件はたくさんある。

ブレント油価格が2014年水準の3分の2程度に下がったままなのは、アラムコのIPOにとって追い風ではないとしても、投資家にとっての問題はそこではなかった。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、のっけから2兆ドルの企業評価を前提に話を進めたことだ。アドバイザーに選定されていたJPモルガンJPM.N、モルガン・スタンレーMS.N、HSBC0005.HK、モーリスMC.N、エバーコアEVR.Nの各社にとって困ったことに、BREAKINGVIEWSの計算ではアラムコの企業価値は2兆ドルを25%ほど下回る可能性がある。

ただ、すべてが水の泡になったわけではない。このIPO計画は、サウジを国際資本市場の表舞台に送り出すことに加え、政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」の財源を整える狙いもあった。PIFに関して言えば、サウジアラムコはIPOの代わりに同ファンドから石油化学大手サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)2010.SEの株式を取得する可能性がある。さらには、米電気自動車メーカー、テスラTSLA.Oのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が先週、株式の非公開化でPIFから資金を調達する可能性を示した。PIFはソフトバンクの「ビジョンファンド」に450億ドルを出資することでも合意している。

つまり投資銀行は、アラムコとサウジからまだ手数料を稼げる望みが残っている。投資銀行の課題は、顧客企業の要望と投資家が受け入れられる評価額との折り合いをつけることだ。アラムコの件に多大な時間を費やした彼らは今後、案件の実現可能性をもっとしっかり見極めるようになるかもしれない。

*見出しの余分な文字を削除しました。

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