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コラム:サウジの財政緊縮緩和、国内の改革支持につながる期待
2017年4月25日 / 04:00 / 7ヶ月後

コラム:サウジの財政緊縮緩和、国内の改革支持につながる期待

[ロンドン 24日 ロイター] - サウジアラビアの指導者たちは、財政緊縮と改革が車の両輪としてうまく機能することは滅多にないことを学びつつある。22日の勅令では、財政赤字削減のために昨年発表した公務員セクターの給与などの削減が撤回された。これでサウジの財政基盤はさらに弱まるだろう。しかし、より幅広い分野における経済構造改革の進展を後押しするかもしれない。

4月24日、サウジアラビアの指導者たちは、財政緊縮と改革が車の両輪としてうまく機能することは滅多にないことを学びつつある。リヤドで2016年4月撮影。Saudi Press Agency提供(2017年 ロイター)

サウジ政府が昨年9月に打ち出した公務員の給与削減や賞与見送りほど、国内で不人気な政策決定はなかなか見当たらない。多くの国民はこうした優遇をほぼ生まれながらにして得られる当然の権利とみなしているからだ。サウド王家の側も、これまでは国民に対する切り詰め策を断行する正当な理由はほとんど持ち合わせてこなかった。

そして、ともかくも原油安によって、過去30年前後で最も劇的な財政再建と石油依存型の経済を多角化する取り組みが促進された。公務員給与削減で「聖域」がないとの強いメッセージを送ることもできた。

さらに、そうした対応の効果が顕在化してきたように見える。2015年に1000億ドル近くと過去最悪に膨らんだ財政赤字は、一部解消されている。政府によると、今年第1・四半期の赤字額はわずか70億ドルで、財政収支は昨年の赤字額を大幅に減らす方向で推移している。最近実施した起債では大幅な応募超過を記録し、同国としては再び原油が急落しても、おそらく借り入れを通じて困難を乗り切れると自信を持てるようになった。

歳出削減方針を簡単に取り消せば、コストは高くつくだろう。アブダビ商業銀行の見積もりでは、公務員の給与カットでサウジは国内総生産(GDP)の約2%分を節約できた。

それでも、ムハンマド副皇太子が主導する、より抜本的な経済・社会改革に対する国民の支持を確保できるなら、給与削減撤回は賢明な措置となり得る。副皇太子は国営石油会社サウジアラムコの一部株式売却で最大1000億ドルの資金調達を目指しているほか、経済における女性の役割分担を増やそうともしている。これらの改革には国民の忠誠心が必須だ。そして、相応の代償も伴う。

●背景となるニュース

*サウジアラビアは22日、昨年9月に打ち出した公務員と軍人の給与や手当削減を撤回し、賞与を復活した。この計画は主な財政緊縮措置の1つだった。

*サウジは原油安に伴う財政赤字穴埋めのため、財政緊縮措置や補助金削減を実施してきた。原油価格は2017年予算で想定されている1バレル=55ドルをなお下回っている。

筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています

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