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アングル:サウジの民営化計画、障害山積みで牛の歩み
December 4, 2017 / 5:34 AM / 11 days ago

アングル:サウジの民営化計画、障害山積みで牛の歩み

[ドバイ/リヤド 1日 ロイター] - サウジアラビアの3000億ドルの民営化計画は、ムハンマド皇太子が鳴り物入りでお披露目した昨年春には歴史的な取り組みと称された。しかし官僚主義の厚い壁や法制度の不備、政府部局による頻繁な優先事項の変更、さらには投資家の間に広がる倦怠感など障害が山積みで、計画は遅々として進んでいない。

 12月1日、サウジアラビアの3000億ドルの民営化計画は障害が山積みで、計画は遅々として進んでいない。写真は、計画の柱となる国営石油会社サウジアラムコのスタンド。バーレーンで昨年10月撮影(2017年 ロイター/Hamad I Mohammed)

関係者の間からは、王族や閣僚が身柄を拘束された先月の汚職摘発を巡る不透明感の高まりも、投資家が様子見を決め込む一因になったとの声が上がっている。

計画の柱となる国営石油会社サウジアラムコの株式上場は、ムハンマド皇太子が10月にロイターのインタビューで予定通り来年実施すると言明したにもかかわらず、まだ海外での上場先が決まらない。

穀物貯蔵・製粉、郵便、医療などの分野でも民営化がはかどらない。

民営化に関わっているサウジの銀行関係者は「(大方の予想よりも)時間が掛かるだろう。政府やもっと下の段階で優先課題が変わることが足かせになっている。公的部門は体制が古く、記録を保存しておらず、民営化の厳しさに対応する形になっていない」と話す。

民営化計画は、ムハンマド皇太子が打ち出した、脱石油依存を目指す経済改革計画「ビジョン2030」の要。しかしアナリストなどによると、規制体系が整備されていないために、投資家は出資した場合に人員解雇の権限などの経営権をどの程度与えられるのか確信が持てないという。

民営化の狙いは財政の改善で、サウジは昨年の財政赤字が790億ドルに上った。

ただ経済企画のトワイジリ副大臣が最優先に取り組むとした穀物貯蔵・製粉、スポーツ、発電、水資源の4セクターの動きにはばらつきがある。水資源管理では海水淡水化公団の民営化でアドバイザー業務を巡る入札の受付が行われたが、他の3セクターは進捗が遅れている。

発電は担当高官が10月に民営化は2018年になるとの見通しを示し、穀物貯蔵・製粉は所有権に関する複雑な規制が制約になっている。また保健省は医療機関の民営化に向けた金融アドバイザーを選ぶ入札の手続きを凍結している。

今年初めに始まったサウジ・ポストの民営化も当面は棚上げ。通信情報技術相は先月、まず5カ年の企業化計画に着手する考えを示した。

このほかサッカークラブで民営化の先行きがはっきりしないほか、空港についても地元メディアが目標達成は非現実的とのアナリストの見方を伝え、混乱が生じている。

BMIリサーチのリスクアナリスト、ラファエル・オーバーティー氏は「近隣諸国に比べるとサウジは民営化の経験が乏しく、規制面の枠組みが整っていない」と述べた。

また、アラブ・ガルフ・ステーツ・インスティテュートのシニア・レジデント・スカラー、カレン・ヤング氏は、大規模な官民パートナーシップ・プロジェクトのための制度や破産法が準備されていないことを問題点に挙げた。

(Tom Arnold、Saeed Azhar、Katie Paul記者)

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