[ワシントン 28日 ロイター] - エチオピアで、380万年前のアウストラロピテクス・アナメンシス(アナメンシス猿人)の頭蓋骨がほぼ完全な形で見つかり、顔が復元された。科学者らが28日発表した。
最終的に現生人類へとつながる進化系統の重要な時期に関する手掛かりを示す発見となる。
科学誌ネイチャーに掲載された研究によると、頭蓋骨は2016年にエチオピアの首都アディスアベバの北東約550キロで発見され、成人男性のものだという。これまでの研究では、アナメンシス猿人の身長は約150センチに達したことが示唆されているが、今回は推定身長は示されなかった。
アナメンシス猿人は、「ルーシー」のニックネームで知られるアウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の直接の祖先と考えられている。ルーシーは約320万年前に生存していたとされ、化石人骨が1974年にエチオピアで発見された。
研究を主導した米クリーブランド自然史博物館の古人類学者、ヨハネス・ハイレ・セラシエ氏は、頭蓋骨の発見について「これは一生に一度の発見だ。これほどエキサイティングなものはない」とコメント。化石で発見された300万年以上前の初期人類の中で、最も完全な形で残された頭蓋骨だ、と述べた。
これまでに見つかっていたアナメンシス猿人の頭部の化石は顎の一部と歯のみで、この種について完全に理解するのは困難だった。
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