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アングル:米ジャンク債ファンド破綻、企業統治の不備浮き彫りに

[ボストン 14日 ロイター] - 先週実質的に破綻状態に陥った高利回り(ジャンク)社債ファンド「サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンド」TFCIX.Oは、流動性の乏しい資産の組み入れ比率が破綻前に急激に上昇していた。

 12月14日、米証券取引委員会(SEC)は市場の価格が存在せず、取引が非常に少ない非流動性資産について、組み入れ比率の上限を15%とする規制導入を進めている。写真はSECのロゴ。ワシントンで2011年6月撮影(2015年 ロイター/Jonathan Ernst)

ミューチュアルファンドの非流動性資産については企業統治の専門家からリスクを懸念する声が上がっており、今回の破綻で業界内の不透明な一角が外部の監視をすり抜けている実体が浮き彫りになった。

折しも米証券取引委員会(SEC)は市場の価格が存在せず、取引が非常に少ない非流動性資産について、組み入れ比率の上限を15%とする規制導入を進めている。

SECは9月にファンドごとの委員会による監視強化や、非流動性資産の組み入れ比率の透明性向上を提案していた。

アナリストによると、破産債権や高リスクの住宅ローン担保証券などといった非流動性資産は取引が難しいだけに、こうした資産の組み入れ比率が高いファンドは投資家が考えている以上に大きな損失を抱えかねない。

当局に提出された開示文書によると、サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンドの非流動資産の全資産(約20億ドル)に対する比率は7月末時点で9.1%。2014年10月は4.6%で、12年は0.91%にすぎなかった。

しかし米会計規則に基づく試算では、非流動性証券の組み入れ比率は20%に達していたことになる。

サード・アベニューと親会社アフィリエーテッド・マネジャーズ・グループは取材に応じていない。

現在の制度では、ファンドは非流動性資産の分類や評価でかなりの裁量権を持つ。大半のファンドは資産の監視を内部の評価委員会の手に委ねており、SECはこの点が投資家に対してシステミックなリスクになり得るとみている。

ミューチュアルファンドの評価委員会は株主の利益に目を配り、マネジメントフィーについて交渉するなどの職務を担う。メンバーは内部の独立した立場のディレクターによって指名される。しかし一部の専門家はほとんど機能していないと指摘している。

シカゴ・ケント・カレッジ・オブ・ローのウィリアム・バードシスル教授は評価委員会の仕事ぶりについて「ひどいものだ」と述べ、ミューチュアルファンドの経営監視体制に疑問を呈した。

サード・アベニューの評価委員会のメンバーは法律顧問のジム・ホール氏、会計監査役のジム・ブオノ氏、最高財務責任者(CFO)のビンセント・デゥーガン氏の3人で、いずれも在職期間の長い内部関係者ばかりだ。

(Tim McLaughlin and Ross Kerber記者)

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