[ベルリン 19日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は18日、来冬にエネルギーが不足する可能性があるとの見方を示した。
今年の液化天然ガス(LNG)の新規供給が比較的少ないことや中国の消費拡大が見込まれることが背景。
ミュンヘン安全保障会議の合間にロイターに述べた。
ビロル氏は、欧州の政府がLNGターミナルの建設拡大など、エネルギー確保に向けた多くの正しい決断を下したと指摘。暖冬のほか、中国の需要が40年ぶりに減少したことも寄与したと述べた。
「今冬については危機を脱したと言える」とした上で「問題は来冬だ」と発言。今年は230億立方メートルのLNGが追加で供給される見通しだが、中国の経済活動がわずかに増えただけで、追加分の80%を中国が消費する可能性が高いとの見方を示した。
「欧州にはLNG輸入ターミナルが十分にあるが、来冬は輸入するガスが不足し、欧州が厳しい状況に見舞われる可能性がある」とし、ガス価格が再び上昇する可能性が高いとの見方を示した。
家計・企業で引き続きガスの利用を減らし、再生可能エネルギーの生産拡大ペースを加速する必要があるとも発言した。
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