[シンガポール 31日 ロイター] - シンガポール取引所(SGX)は、「ブランクチェック(白紙小切手)」企業とも呼ばれる特別買収目的会社(SPAC)の上場を認めるための新たな規制案を検討している。
SPACは企業の買収・合併を目的に新規株式公開(IPO)を通じて資金を調達する。未公開企業はSPACとの合併を通じて短期間で上場することが可能で、米国ではこの仕組みの活用が急増している。
SGX規制部門のタン・ブーン・ジン最高経営責任者(CEO)は記者会見で「アジアは(SPACの)ターゲット企業だけでなくスポンサーも豊富であり、アジアのSPACは興味深いものになるというフィードバックを得ている」と述べた。
SGXは、米国のSPACで見られる過剰な株式希薄化や未公開企業との拙速な合併といったリスクから投資家を保護する案を公表した。
SPACの株式には通常、あらかじめ決まった価格で株式を購入できるワラント(新株引受権)が付いてくる。原株が値上がりすれば、ワラントは有益となる。
米国のSPACの場合、投資家は原株を売却した後もワラントを保持することが可能なため、出資せずにワラントを通じてSPACの成功の恩恵を受けることができる。
この点を踏まえ、SGXはワラントを原株から切り離すことを禁止するとともに、企業との合併に反対する投資家だけに株式償還を認めることを提案している。
このほか、SPAC設立当初からの株主による出資比率に最低基準を設ける方針。SPACによる合併期限については、米国で通常2年となっているのに対し、SGXは3年を検討している。
また、SPACの時価総額に3億シンガポールドル(2億2300米ドル)の最低基準を設ける計画だ。
SGXは4月28日まで市場の意見を募集し、今年半ばにも導入する可能性がある。
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