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コラム:米シェール企業の採算ライン、原油50ドル前後と判明
August 10, 2017 / 4:33 AM / in 4 months

コラム:米シェール企業の採算ライン、原油50ドル前後と判明

John Kemp

8月9日、米シェール企業が採算を維持するにはWTI原油価格で1バレル=50ドル前後が必要なことが、第2・四半期の各社財務諸表の分析からは読み取れる。写真は米カリフォルニア州で2013年4月撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson)

[ロンドン 9日 ロイター] - 米シェール企業が採算を維持するにはWTI原油価格で1バレル=50ドル前後が必要なことが、第2・四半期の各社財務諸表の分析からは読み取れる。

最大手クラスのシェール15社の第2・四半期の純損益は合計で4億7000万ドルの赤字。この間WTIの平均は48ドルだった。赤字額は第1・四半期の37億ドル、昨年第2・四半期の74億ドルからは大幅に縮小した。

このうち黒字を計上したのは9社で、第1・四半期の10社には届かなかったが、昨年第2・四半期のゼロからは目立って改善した。

シェール企業が赤字拡大に歯止めをかけられたのは、コスト節減や経営効率化、原油価格上昇が組み合わさったおかげだ。しかしこれらの企業が全てのコストをカバーし、株主のためのリターンを稼げるようになるために、原油価格がどれほど上がればよいかを巡っては、かなりの論争が起きている。

一部の生産者は、WTI価格が50ドル割れ、あるいは40ドルでさえ収支トントンから大幅黒字にできると主張する。

こうした見解が、全ライフサイクルコスト(人件費を含む)に当てはまるのか、また全ての生産者(あるいは最も生産性の高いグループのみ)に適用されるのかはなお判然としない。

ノースダコタとオクラホマにおける大手シェール企業コンチネンタル・リソーシズ(CLR.N)のハロルド・ハム最高経営責任者(CEO)は、原油価格は50ドル超が続く必要があると述べた。ハム氏は、6月28日のCNBCのインタビューで、40ドル割れなら掘削作業の再休止をもたらすと予想している。

<悩ましいヘッジ戦略>

経験的な証拠からすると、ハム氏の示した数字はほぼ正しい。実際、50ドルをやや下回る水準でシェール生産者は小幅の赤字となっている。

掘削リグの稼働数は、WTI価格が2月終盤の54ドルから6月終盤に43ドル程度まで落ちた後、直近数週間で頭打ちになった。掘削リグ稼働数は、WTI価格の変化に対しておよそ16─20週のラグを伴って動きを見せる。

さらにこの数週間で、多くのシェール企業は今年下半期の設備投資を小幅に圧縮すると発表し、原油安に対応して予算を引き締めている。

    総合的に考えれば、やはりシェールセクターの平均採算ラインは50ドル近辺、上下数ドルの幅であることを各種指標が示している。

    一部の企業は、原油価格が50ドルをやや上回っていた昨年終盤や今年序盤に何とかヘッジすることができた。ほとんどの場合、ヘッジや輸送のコストを含んだ実現価格は50ドルより数ドル低い。最も活発にヘッジに取り組んだ企業の1つであるパイオニア・リソーシズ(PXD.N)の第2・四半期の実現価格は45ドルだった。

    ただし大半の企業は、来年見込まれる生産量に関しては、これまでのところヘッジ比率は非常に小さい。例えばパイオニアも最新の投資家への説明資料に基づくと、年内の生産分のヘッジ比率は約90%だが、来年分は50%にとどまる。

    シェール企業にとっては、来年の生産分でもっとヘッジ比率を高めるか、それをどの価格で行うかを決めるまでにはまだ幾分時間の余裕がある。2018年のWTI先物は足元で50ドル前後と、6月の45ドルから上昇し、企業は今ヘッジすべきかそれともさらに価格が上がることに期待をつなぐか頭を悩ませているところだ。

    先週を通じてWTIは50ドル前後の比較的狭いレンジで推移。シェール企業が採算を維持する必要があることが価格を支えた一方、生産者がフォワード売りを再開するのではないかとの懸念が上値を抑える形になった。

    *筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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