[東京 27日 ロイター] - 塩野義製薬の手代木功社長はロイターとのインタビューで、新型コロナウイルス感染症の経口薬「ゾコーバ」について、早ければ3月にも中国と韓国で承認を得られる可能性があるとし、年間販売は世界で20億ドル程度を見込んでいることを明らかにした。米国では2024年冬までに承認を取得できる可能性があるという。
ゾコーバは軽症の段階から服用できる飲み薬。日本では昨年11月に緊急承認を受けた。コロナの経口薬は米製薬大手ファイザーと米メルクがそれぞれ開発したものが先行するが、塩野義の治験によると、ゾコーバは1日1錠を5日間服用することでウイルスの増殖を抑制し、後遺症のリスクを低減する。
ファイザーが新型コロナのワクチンと治療薬で2023年に200億ドル(約2兆7000億円)以上の売り上げを見込んでいることから、手代木社長はゾコーバの販売について、世界で20億ドル程度になるのでないかとの見通しを示した。日本政府は緊急承認後、200万人分を1000億円で購入した。
米国では同国の国立衛生研究所の資金支援を受け、第3相試験が行われており、手代木社長によると、2024年冬までに承認される可能性があるという。
塩野義は米国に子会社があるものの、手代木社長はゾコーバを販売・供給するに当たり、現地企業との提携が必要になる可能性があるとした。
*インタビューは24日に実施しました。
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