[ロンドン/東京 20日 ロイター] - 武田薬品工業4502.Tは20日、アイルランドの製薬会社シャイアーSHP.Lへの買収提示額を1株当たり47ポンドに引き上げた。当初の提示額である46.50ポンドに0.5ポンド上乗せした。内訳は現金21ポンド、武田の新株26ポンドで、シャイアーの価値を443億ポンド(621億1000万ドル)と評価した。
提案は4回目。これまでの提案を拒否してきたシャイアーは、新たな案について検討していると表明した。
武田は声明で、買収条件に関する合意と英規制当局が今月25日に定める正式な買収意向の表明期限の延長に向け、シャイアーの取締役会と取り組むことを望むと説明。また、「対価額の増額及び対価のうち現金部分を実質的に増加させたものであり、シャイアーの株主からの同意を得るに極めて十分な機会と考える」とした。
シャイアーはこれまで3回の提案については、同社の価値や開発中の医薬品を著しく過小評価しているの認識を示してきた。
武田の買収提案を巡っては、シャイアーの市場価値が340億ポンド(483億ドル)強と、武田の時価総額である4兆1000億円(310億ドル)を大きく上回っており、財務面での負担が懸念されている。
シャイアー株はこの日、3.9%安の38.21ポンドで取引を終了。 武田は前日の取引で4.7%安の4857円。
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