[東京 26日 ロイター] - 静岡銀行8355.Tの中西勝則頭取は26日、ロイターとのインタビューで、日銀のマイナス金利政策について、貸出金の利ざや縮小が進む可能性に言及し、来年度は悪影響が避けられないとした。
また、口座管理手数料の導入を調査する金融機関も出ている中で、個人向け預金に手数料を課す考えはないと語った。その一方で大口預金ではあり得るとの見解を示した。
インタビューで、中西頭取はマイナス金利の影響について「今年度はあまり響かない。ただ、来年度の計画をどのように作っていくのかという問題はある」と語った。
縮小を続けてきた貸出金の利ざやが、今年3月には前年比で拡大に転じる可能性もあったが、遠退いたとの認識を示した。
マイナス金利によるポートフォーリオのリバランス効果について「金融全体として、貸出にすべていくと考えるのは難しいのではないか。どこにいくのだろうかと予測して、来年度の業務計画を立てなければならない」と語った。
預金口座に管理手数料を導入し、実質的に預金に対してマイナス金利を課す方策について、マイナス金利はあくまで銀行や法人などの大口取引にかかわるものだとし「個人、消費者には関係ない。目線がまったく違う」として、個人預金に手数料を課す考えはないと強調。一方、大口の法人預金に対しては、手数料を課すこともありえるとの考えを示した。
今後の注力分野としては、これまでにも力を入れてきたストラクチャード・ファイナンス分野に加えて、再生企業向け融資、さらに個人向けでは資産形成層に対するビジネスのほか、消費者ローンなど4分野を挙げた。いずれも相対的に高い金利を得られる分野だと説明した。
布施太郎 編集:田巻一彦
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