January 29, 2015 / 5:07 PM / 4 years ago

焦点:乱気流続くスカイマーク再建、エアバス対策になお資金の壁

[東京 30日 ロイター] - 28日に民事再生法の適用を申請した国内航空3位のスカイマーク9204.Tは、投資ファンドのインテグラルによるつなぎ融資で当面の事業資金を確保し、独立を維持した国内航空の「第三極」として再建を目指す。

 1月30日、スカイマークは国内航空の「第三極」として再建を目指す。写真は羽田空港の同社カウンターで2009年1月撮影(2015年 ロイター)

しかし、航空機購入中止をめぐるエアバス(AIR.PA)との交渉は決着しておらず、巨額の違約金が生じて負債総額が膨らむ懸念もある。長期的な支援を期待できる企業を見つけられるかどうか、スカイマークの行方はなお乱気流が続きそうだ。

<「第三極」のままで再生へ>

「第三極としての形をとっていきたい」――。スカイマークの有森正和新社長は29日の会見で、経営再生後も日本航空(9201.T)と全日本空輸(9202.T)の航空大手2社と対抗する第三極の立場を取り続ける姿勢を示した。

会見に同席した井出隆司会長は、第三極を維持したまま再生を目指す理由について、これまでスカイマークが撤退した路線では大手2社が値上げし、同社が運行を再開すると大手側が値下げするという状況が繰り返されてきたと説明。スカイマークの存在が2社を交えた運賃競争を促し、顧客の利益になるとした。

特にドル箱とされる羽田空港の発着枠について、スカイマークは36便分保有しているが、同会長は「これを既存の航空会社で分け合うことになると、寡占化して運賃が上がる」と指摘、スカイマークが第三極であり続けることには社会的意義があると強調した。

一方、井出会長は「メガバンクには一切(融資の)話に乗ってもらえなかった」ことを明かし、支援企業の候補となっているインテグラルについては「つなぎ融資も含めて、こんなにリスクまで負って助けたいと言ってくれた」と評価。第三極としての「スカイマークの社会的役割を理解していただいている」と感謝の意を示した。

スカイマークは今後、支援企業の選定や再生計画の策定に着手する。支援を名乗り出た企業はインテグラル以外まだ現れていないが、大口債権者であるエアバスと米航空機リース大手のイントレピッド・アビエーションの意向が大きく反映されるとみられる。

<日航・全日空との共同運航が条件>

インテグラルはアパレル大手ワールドのMBO(マネジメント・バイ・アウト=経営陣による買収)などを手掛けた佐山展生氏が率いる独立系の国内投資ファンド。スカイマークが昨年から出資などの協議を進めていた国内外ファンド4社のうち、支援を取り付けることができたのはインテグラル1社だけだ。

残りファンド3社との間でもぎりぎりまで交渉は続いていたが、いずれも出資条件の一つになっていたのは、同社が日航と全日空との間で続けていた共同運航の実現だったという。

スカイマーク、日航、全日空も夏ダイヤから共同運航を実施したいとの思いは一致していたが、ライバル2社が関わる話だけに調整に時間がかかり、(話がまとまるのに)「ハードルが上がっている」(井出会長)。再生法申請後も、有森社長は引き続き「前向きにお願いしたい」と話すが、2社が納得した形で早期に実現できるかも今だ不透明だ。

<エアバス問題が大きな壁に>

しかし、共同運航の実現以上に今後のスポンサー選定のもっとも大きな壁になるのが、「経営破たんの最大の要因」(有森社長)でもある大型旅客機「A380」の購入中止をめぐるエアバスからの違約金請求問題だ。   

エアバスが求めている最大約7億ドル(約830億円)の違約金を支払うことになれば、約710億円としている負債総額がさらに膨らむ。複数の金融関係者は「最終的に負債総額がいくらになるかがわからず、支援に手を挙げにくい」と話している。

スカイマークは2011年にA380型機6機を同社売上高の2倍超にもなる総額1915億円で売買契約を結んだ。しかし競争激化や円安に伴う燃油費上昇などにより、14年3月期の単独決算が5期ぶりの最終赤字に転落。代金支払いのめどが立たず、購入機数の削減や引き渡し延期などを求めて交渉していた。

だが、エアバスはスカイマークの経営状態を懸念し、昨年7月末までに契約解除を一方的に通告。「常軌を逸した法外な違約金」(スカイマーク発表資料)の支払いを請求してきたため、スカイマークは減額などに向けた交渉を今も続けている状態だ。

井出会長は、今後のエアバスとの交渉をうまく進めるためにも「バイイング・パワー(買い手側の購入力、支払い能力)が必要だ」とし、それが実現できる「パートナーが必要だ」と語った。西久保愼一前社長の下で身の丈以上の過大投資に走り、結果的に経営破たんしたスカイマーク。新経営陣が描くシナリオ通りに救世主が現れるかどうか、スポンサー探しは容易ではなさそうだ。

白木真紀 取材協力:Antoni Slodkowski

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