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コラム

コラム:スーパーリーグ構想、「1点ビハインド」の船出

[ロンドン 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州で提案されている新しいサッカーリーグは、世界で最も人気のあるこのスポーツにとって数十年ぶりの大変革となるだろう。逆説的に言えば、米JPモルガンが支援するこの謀反、成功するには慎重すぎるかもしれない。

リバプール(イングランド)のジョン・ヘンリー氏、マンチェスター・ユナイテッド(同、マンU)のグレイザー家、ユベントス(イタリア)を支配するアニェッリ家など、サッカークラブのオーナーの視点から見ると、18日に発表されたスーパーリーグには説得力のある経済的な論理が存在する。週の半ばの平日に開催されるこの新しい大会では、欧州各国の12のトップクラブに出場権が保証される。このため、欧州サッカー連盟(UEFA)による欧州チャンピオンズリーグ(CL)とは異なり、予選敗退という経済的リスクを排除し、より多くの利益を得ることができる。

ファンは純粋なスポーツの実力に基づいた大会を好むかもしれないが、ビッグクラブは発言権を拡大させるべきだと考えている。結局のところ、シアトルからシンガポールまで世界中の人々が、バルセロナ(スペイン)のリオネル・メッシやリバプールのモハメド・サラーらスター選手に注目している。放送局との契約やスポンサーシップは、最終的には自分たちのサッカー選手への投資から得られるものであり、これらのクラブがコントロールすべきではないか、というのだ。

関係者にとってのメリットは明らかだ。リーグを創設したクラブは、大会に参加することで得られる35億ユーロ(約4563億円)の初期資金を分配する。これは、パリ・サンジェルマン(フランス)など2つのクラブも参加すると仮定すると、それぞれ2億3300万ユーロになる。12億ドル規模のユベントスの株式が発表翌日の19日朝に14%上昇したのも不思議ではない。

ただマンUのように、再来年のシーズンに9億ドル(アナリストによる推定中央値)の収益を上げる見通しのトップチームにとっては、事態を大きく変えるほどの額ではない。ほとんどのクラブにとって、特にイングランドでは、プレミアリーグのような国内大会が引き続き主な収益源となる。スーパーリーグは、これらの永続的な現金収入に代わるものではなく、補強することが目的だ。

そのため、プレミアリーグ、スペインのリーガ・エスパニョーラ、イタリアのセリエAなどの国内リーグの支援が重要になる。だが、各国リーグはスーパーリーグに断固として反対し、参加クラブの追放までちらつかせている。意外かもしれないが、これは最終的には各国のサッカー関係者が交渉力を持っていることを示している。新生スーパーリーグは、1点ビハインドでのスタートとなる。

●背景となるニュース

*サッカーの欧州各国のトップ12クラブが4月18日、かねてより噂されていた「スーパーリーグ」の設立を発表した。欧州サッカー連盟(UEFA)による欧州チャンピオンズリーグ(CL)に対抗するもので、国内リーグとは競合しない。試合は8月から翌年5月までの週の半ばの平日に行う。

*参加チームは20。15の創設クラブのほか、毎シーズン予選を通過した5クラブが加わり、リーグ戦を行う。

*当初の創設メンバーはイタリアのACミラン、インテル、ユベントス、イングランドのアーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トットナム・ホットスパー、スペインのアトレチコ・マドリード、バルセロナ、レアル・マドリードの12チーム。

*各クラブは「持続可能な財政基盤」を保証するための新たな支出枠組みに署名し、スーパーリーグへの参加を約束する報酬として当初、35億ユーロを分配する。

*リーグの資金は米JPモルガンが提供する予定。

*イングランドのプレミアリーグ、スペインのリーガ・エスパニョーラ、UEFAなどのサッカー団体は、18日に共同声明を発表し、「ひねくれた計画」と非難。「関係するクラブは国内、欧州、世界レベルの他の大会への出場が禁止され、選手は自国の代表チームに出場する機会を奪われる可能性がある」と警告した。

*ユベントスの株価は19日、一時7%上昇。マンU株は寄り付き前の取引で一時5%上昇した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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