July 17, 2018 / 9:43 AM / 3 months ago

ブログ:ロイターカメラマンが語る「W杯ベストショット」

[モスクワ 17日 ロイター] - スピードとテクニック、そしてコントロール──。ワールドカップ(W杯)に出場した一流サッカー選手は皆、これらの資質を兼ね備えていた。そしてそれは、ロシア大会を取材するために集まった世界のメディア記者にもあてはまる。

7月17日、スピードとテクニック、そしてコントロール──。ワールドカップ(W杯)に出場した一流サッカー選手は皆、これらの資質を兼ね備えていた。そしてそれは、ロシア大会を取材するために集まった世界のメディア記者にもあてはまる。モスクワのルジニキ・スタジアムで15日、優勝を喜ぶフランス代表選手(2018年 ロイター/Michael Dalder)

ロイターのカメラマン8人が、それぞれ撮影した今大会のベストショットについて振り返った。

●マイケル・ダルダー記者

サッカー取材で、捉えなければいけない撮影対象は2つある。ゴールと感情だ。この写真は、感情100%の瞬間だ。

●ダミール・サゴルジ記者

サウジアラビアのサレム・アルドサリが、(グループステージ第3戦の)エジプト戦ロスタイムで勝ち越しゴールを決めた直後、私のすぐ前で宙返りをした。カメラマンなら誰もが夢見るその瞬間、ラッキーなことに私の手には最適なレンズを付けた最適なカメラがあった。

ボルゴグラードの競技場で6月25日、得点を喜ぶサウジアラビアのサレム・アルドサリ。(2018年 ロイター/Damir Sagolj)

決勝戦ではないし、強豪国の有名選手でもなかった。でも、宙返りは宙返りだ。しかも、すばらしかった。W杯で選手が宙返りを決めたのはこの1度だけで、私にとってはそれだけで今大会のベストショットと言える。

●ダレン・ステープルス記者

私の好きな1枚は、エカテリンブルグで行われたエジプト対ウルグアイの(グループステージ第1)試合で撮影した、エジプトのアムル・ワルダのものだ。

他人の失敗を笑ってはいけないと言われて育ったが、この時ばかりは自分を止められなかった。ワルダは、オーバーヘッドキックを決めようとした。

これがゴールのネットを揺らしていれば、カメラマンにとって憧れのショットが撮れていただろう。だがこの選手は、3万5000人の観衆の前で完全に空振りして、背中から落下した。彼の恥じ入る気持ちが手に取るように分かった。

●クリスチャン・アルトマン記者

有名な言葉も、書き直されるべきときが来る。元イングランド代表ゲイリー・リネカーの名言を修正するとこうなるだろう。サッカーは単純なゲームだ。22人の男たちが90分間1つのボールを追いかけ、最後はドイツが必ず勝つ訳ではない―。

胴上げされる仏代表のデシャン監督。モスクワで15日撮影(2018年 ロイター/ Christian Hartmann)

今回は、フランスが勝つ番だった。

フランスにとっても、初めてW杯を取材したフランス人カメラマンの私にとっても、胸が一杯になる瞬間だった。チームと監督にとっては、なおさらだろう。

20年前、フランス代表はパリ大会でW杯優勝を飾り、主将だったディディエ・デシャンはトロフィーを高く掲げた。彼は今回、マリオ・ザガロ氏(ブラジル)とフランツ・ベッケンバウアー氏(ドイツ)に続く、史上3人目の選手と監督の両方でのW杯優勝経験者となった。

モスクワを拠点とするロイター取材チームの一員として、私は決勝トーナメントから、スタジアムの一段高いところにある「トリビューン」と呼ばれる場所からの撮影を担当することになった。

ここからピッチ全体がよく見渡せ、芝生の緑を背景にゴールシーンや選手の動きや反応を撮影できた。フランス1部「リーグ・アン」では、この位置から撮影できないため、モスクワのスタジアムで行われた重要な試合で、ここから撮影できることを喜んでいた。

だが、私にとってなんという幕切れだろう。最後のホイッスルが鳴った直後、ピッチのコーナーのあちこちで、チーム全体が喜びを爆発させた。カメラマンとしては、主要選手や監督が最も激しい反応を示す最初の瞬間を撮影したいのだ。

その後、デシャン監督は、トロフィーの授与セレモニーを待つチームのところへ歩いて行った。私は、何かが起きる予感がして、600ミリの超望遠レンズを構え続けた。その直後、デシャン監督の身体は選手たちに抱えられ、胴上げされて宙に舞った。

これが、私の一番力のある1枚になった。フランス人カメラマンが、W杯決勝を取材し、自国チームがトロフィーを手にするのを目撃したのだ。

●ディラン・マルティネス記者

6月27日、カザンで行われた韓国戦の途中で頭を抱えるドイツ代表選手(2018年 ロイター/Dylan Martinez)

この写真は、完璧とは言えないし、あまり歓迎されないタテ向きがベストという代物だ。それでも、この構図が好きだ。スタジアムの高い場所にあるトリビューンから撮影できる機会はあまりないので、進んで手を挙げた。まるでテレビ観戦しているかのような広い視野があり、とても楽しかった。

大好きなプレーヤーの1人、イングランドのプレミアリーグ、トッテナムに所属する韓国代表ソン・フンミンが、決勝ゴールを決めてドイツを破った場面を見た。それは大勝利で、大いなる瞬間だった。私はシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ気持ち)はあまり感じない方だが、本物のスポーツファンが言うように、W杯においてはそれは大きな要素といえる」

●カイ・プファッフェンバッハ記者

W杯は通常、ピッチの上で繰り広げられるアクションとゴール、そして感情の物語だ。W杯ロシア大会の決勝にもそうした要素は十分にあり、(フランスがクロアチアを破る)4ー2の結果となったが、私が自分の写真で一番気に入っているのはこの1枚だ。

モスクワで15日撮影(2018年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

表彰式が始まるとすぐに、土砂降りの雨が降り出した。ロシアのプーチン大統領のためにスタッフが傘を用意していたが、フランスのマクロン大統領やクロアチアのグラバルキタロビッチ大統領、国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長の分はなく、3人は雨に濡れてしまった。

マクロン大統領は気にする様子もなく、フランス代表の優勝を喜んでいた。グラバルキタロビッチ大統領は、自国チームの監督をねぎらった。

●カール・ラシーヌ記者

クロアチアのマリオ・マンジュキッチが喜んでいるこのシーンは、ほろ苦い記憶だ。W杯の喜びの場面をとらえた写真としては、私のベストだろう。ただこのゴールでイングランドの敗退が決まり、私はこの写真を見るたびに、少し悲しく感じることだろう。

イングランド戦で得点を決め喜ぶクロアチアのマンジュキッチら。モスクワで11日撮影(2018年 ロイター/Carl Recine)

これは16ミリレンズで撮影した。最初は70―200ミリレンズを使っていたが、マンジュキッチやチームメイトが迫ってきたので、もう少し広角のレンズが必要だと気づいた。

選手たちは私たちのいる方に倒れこんできて、AFPのカメラマン、ユーリー・コルテス記者が倒され、クロアチア選手からのハグとキス攻めにあった。それも、素敵な写真になった。

●マキシム・シュメトフ記者

この写真は、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われたサウジアラビアとの開幕戦で、得点を挙げたロシアのアルチョム・ジュバを迎えるスタニスラフ・チェルチェソフ監督を捉えたものだ。

モスクワで6月14日撮影(2018年 ロイター/Maxim Shemetov)

この瞬間が特別なのは、ロシア代表はW杯開幕前の数カ月にわたり1勝もできず、国内の期待は低かったからだ。サウジアラビア戦で、後半投入されたジュバはすぐに得点を挙げた。

(撮影:Reuters photographers、文責:Hugh Lawson)

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