December 19, 2019 / 8:35 AM / a month ago

「応能」の視点明記、75歳以上の医療費2割負担も=社会保障改革中間報告

[東京 19日 ロイター] - 政府は19日、全世代型社会保障検討会議(議長は安倍晋三首相)を開催し、社会保障制度改革について「年齢ではなく負担能力に応じた視点を徹底する」との中間報告をとりまとめた。しかし、各論ではこれまでの議論が後退した面も見受けられ、団塊世代が後期高齢者になり始める2022年度以降の年金・医療財政の改善にどの程度寄与するのかは見通せない。

 12月19日、政府は、全世代型社会保障検討会議(議長は安倍晋三首相)を開催し、社会保障制度改革について「年齢ではなく負担能力に応じた視点を徹底する」との中間報告をとりまとめた。写真は都内で2013年12月撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

<年金改革は支え手確保優先、給付抑制に踏み込めず>

中間報告では、働く高齢者に年金制度における「支えられる側」から「支える側」に転換してもらうべく、いくつかの改革が盛り込まれた。

まず年金受給開始年齢の上限を70歳から75歳まで引き上げる。

また、70歳までの就業機会確保へ、企業に定年延長や業務委託契約などの選択肢を提示して各社に計画策定を求めることになった。ただし産業界からは義務化への反対が強く、努力規定とすることになった。

「支え手」としてこれまで厚生年金の対象ではなかったパート従業員についても、小規模企業まで加入対象を広げる。従来加入強制対象でなかったのは500人以下の企業だったが、2022年10月に100人超まで拡大し、最終的に2024年10月から50人超の企業まで適用対象とする。本人にとっては将来の年金受給額が増えるメリットもある。

また就労中の年金停止が高齢者の働く意欲をそがないよう、停止条件となる月収の上限を引き上げた。60─64歳の収入上限は従来の28万円から月収47万円に変更する。しかし年金財政にとってはその分負担が増えることになり、将来世代の年金財源にはマイナスとなる。

また本来、高齢者への給付抑制となる「マクロスライド」が、長年のデフレ傾向によりきちんと実施できてこなかったことについては、見直しや代わりの抑制策が議論とならなかった。

中間報告に盛り込まれた年金改革は、20年の通常国会に必要な法案を提出する。

<後期高齢者の医療費負担増、一定の所得あれば2割に引き上げ>

医療については、低所得者への配慮を行いつつ、負担増加を求める内容となっている。ただ来夏の最終報告に向けて、さらなる検討を行う。

まず窓口負担が原則1割となっている後期高齢者について、一定の所得があれば2割とする方向で最終報告に向けて検討を進める。ただし長期にわたり頻繁に受診が必要な患者への適切な配慮が必要としている。

紹介状なしに大病院を受診する際の負担についても、初診時5000円、再診時2500円を増額し、公的医療保険の負担も軽減するよう改める。対象となる病院規模も現行の400床から200床以上に拡大する方向だ。

しかし、当初提案されていた、外来で受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする受診時定額負担の導入は、中間報告には盛り込まれなかった。

中川泉 

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