[東京/ソウル 22日 ロイター] - ソフトバンクグループの孫正義最高経営責任者(CEO)は、3年ぶりに韓国を訪問し、傘下の英半導体設計大手アームに関し、韓国サムスン電子と戦略提携について協議すると文書で明らかにした。
アームを巡っては、買収に向け企業連合が組まれる可能性が市場やメディアで取り沙汰されている。中立性を保つことが狙いとみられている。
BNK投資証券のアナリストは「さまざまな企業を連合にまとめるには誰か仲介者が必要だ。孫氏がそうした役割を果たそうとしている可能性がある」と述べた。
韓国の通信社ニュース1によると、サムスン電子の李在鎔副会長は「(孫氏が)提案をする可能性がある」と述べた。
聯合ニュースによると、アームにはサムスンのライバルであるSKハイニックスも関心を示している。朴正浩副会長が3月にアームを買収する企業連合の設立を検討していると述べたという。
BNK投資証券のアナリストは「アームへの出資に関心のある企業が来年の新規株式公開(IPO)の前に割安な価格で株式を取得できる案が提示される可能性がある」と述べた。
ソフトバンクGはアームを米国で上場させる意向を明らかにしている。
メモリー最大手のサムスンはロジック半導体で台湾積体電路製造(TSMC)に後れを取っており、差を縮めようと多額の投資を行っている。このため、アームとの提携はサムスンの戦略に合致する可能性がある。
他に出資に名乗りを上げる可能性があるのは米インテルで、パット・ゲルシンガーCEOは2月にアーム買収のために企業連合が組まれるならば参加に関心があると述べた。
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