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今後はアームの経営に集中、他は守りに徹する=孫ソフトバンクG社長

[東京 11日 ロイター] - ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は11日の決算会見で、「ここから数年間は(半導体設計大手の)アームの爆発的な成長に没頭する」とし、守りを強めるその他の日常業務については、後藤芳光CFO(最高財務責任者)に任せる方針を示した。

 11月11日、ソフトバンクグループが発表した2022年7─9月期決算(国際会計基準)は、純損益が3兆0827億円の黒字だった。写真はソフトバンクグループのロゴ。2017年7月、都内で撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

上場株・未上場株のいずれも投資している先はほとんど全滅に近い成績で「ビジョン・ファンドも苦しんだ」(孫社長)といい、金利の上昇や地政学リスクが顕在化する環境下では、今後も慎重な投資姿勢を継続する。同社はビジョン・ファンドで約30%の人員の削減などを発表している。

こうした守りの経営には後藤CFOが適切で、「もともと攻めの男」という孫氏は、決算や事業戦略などを説明するのは今回が最後と語った。株主総会には引き続き登壇する。

孫会長兼社長は、ここ数カ月アームの成長に神経を注いできたとして「(電力消費の面で)最も効率的な設計になっているアームのポジションがこれからどんどん強くなり、揺るぎないものになると信じている」と語った。

22年度中を目指していたアームのIPOは、マーケット環境などを理由に23年中の上場へと後ろ倒しした。

この日開示した2022年7─9月期決算(国際会計基準)は、純損益が3兆0827億円の黒字だった。4─6月期は3兆1627億円の赤字で、3四半期ぶりに黒字転換したが、ビジョン・ファンドの投資損失は1兆3811億円だった。累計の投資損益も14億6000万ドルのマイナスに転じた。

アリババ株を利用したデリバティブ取引である先渡売買契約で現物決済したことで、5兆3716億円の利益を計上した。アリババは持分適用関連会社から除外された。後藤CFOは「中国の不安定さは日に日に増し、資金化を優先するタイミング」と説明した。

一方で、円安によりSBGや国内子会社の米ドル建て債務が膨らみ、為替差損1兆1001億円を計上した。

経営危機に直面する仮想通貨交換業のFTXへの投資は1億ドル弱、関係筋によると、既にゼロまで評価減している。ビジョン・ファンド全体の仮想通貨ビジネスへの投資も1.3%程度で極めて小さいという。

後藤CFOは、今後のIPO市場について、若干改善している場面もあるとしながらも、「基本的には極めて悲観的」とした。その上で、焦らずに環境が転換するタイミングを見極めていく体力は十分にあると述べた。

同社は通期業績予想を非開示としている。IBESがまとめたアナリスト11人による通期純利益の予想平均値は7987億円。

(浦中美穂 編集:内田慎一)

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