October 10, 2019 / 6:15 AM / a day ago

コラム:「サウスパーク」が中国の検閲批判、勧進元に思わぬ称賛

[ニューヨーク 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ブランド製品や文化コンテンツは、その国の「親善大使」として働いてくれることがよくあるが、時には逆に外交的な波紋を呼んでしまう。

米国のアニメ「サウスパーク」の場合は、中国で後者の役回りを演じたように見える。制作陣のトレイ・パーカー氏とマット・ストーン氏が、中国の意を迎えるため自主的な検閲の意向を示している米コンテンツ業界の弱腰をからかい、その後皮肉な「謝罪文」を公表したことが原因だ。

ロイターは8日、中国国内のインターネットでは、もはやサウスパークの一部の回は視聴できないと伝えた。パーカー氏とストーン氏の勧進元である米メディア大手バイアコム(VIAB.O)にも、中国の反発が向けられる恐れはある。ただ一方で、同社は相応の称賛も勝ち取った。

パーカー氏とストーン氏は7日のツイッターで、サウスパークの「御一行様中国へ(Band in China)」の回が、中国の習近平国家主席に対し非常に無礼な内容だったとされたことについて謝罪した。ところが内容は「中国共産党万歳」と習氏の強固な支配体制を称えた上で、「中国の検閲がわれわれの家や心の中にまで入ってくるのを歓迎します」。

もちろんこれは、香港のデモが激化する中でいくつかのブランドが熱心に示している態度を当てこすったものだ。幹部が香港デモに共感を示した米プロバスケットボールNBAのヒューストン・ロケッツや、広告が香港デモ支持だと批判を浴びた米宝飾品ティファニー(TIF.N)などは、中国の報復を恐れてかなり無難なコメントを発したり、当たり障りのない販売キャンペーンを打ち出すなど、及び腰になっている。

もっとも企業が権力者に真実を突きつけるよりも、商業的利益を守ろうとするのは目新しいことではない。サウスパークのプロダクションを保有するバイアコムにしても、心配すべき理由はある。映画会社パラマウント・ピクチャーズを傘下に持つバイアコムは、既に中国の検閲に振り回されている。映画業界団体のモーション・ピクチャー・アソシエーション・オブ・アメリカによると、昨年の中国での映画興行収入は90億ドルに達するものの、公開を許された外国映画は34本だけだった。

バイアコムの子会社は昨年、中国・重慶市の巨大ショッピングモール内にテーマパークを開く契約にも調印していた。

それでもバイアコムは当面、サウスパーク制作陣の堂々とした振る舞いによって、中国問題で一歩踏み込んだ数少ない大手企業という栄誉に浴すことができる。実際、米政府でさえ、7日に監視カメラメーカーを含めた中国企業・団体に禁輸措置を課したことを除けば、中国の検閲や人権侵害に関して沈黙を続けている。意図的かどうかは別として、バイアコムは世界的に展開している米中対立劇で脇役の一人として登場した格好になった。

●背景となるニュース

*米アニメ「サウスパーク」の制作陣は7日、中国国内のインターネットで一部の回が視聴できなくなっていると伝えられたことを受け、皮肉たっぷりの謝罪文を公表した。

*問題になったのは2日に放映された「御一行様中国へ(Band in China)」の回で、言論の自由を規制する中国や、中国市場にアクセスできるように検閲を受け入れる米コンテンツ業界の態度を批判した内容だった。

Slideshow (2 Images)

*制作陣のトレイ・パーカー氏とマット・ストーン氏はツイッターで「中国の検閲がわれわれの家や心の中にまで入ってくることを、われわれはNBAと同じように歓迎する。われわれは自由や民主主義よりお金を愛しています」と述べた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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