[ソウル 1日 ロイター] - 韓国産業通商資源省が1日発表した1月の貿易統計によると、貿易収支は126億9000万ドルの赤字で、過去最大の赤字を記録した。連休や外需の減退で輸出が予想以上に落ち込んだ。
輸出は前年同月比16.6%減。ロイター調査による市場予想(11.3%減)以上に落ち込み、2020年5月以来の大幅なマイナスとなった。半導体が44.5%、中国向けが31.4%それぞれ減少。08/09年の世界金融危機以降で最大の減少幅となった。
輸出を成長の柱とする韓国経済が、新型コロナウイルス禍中だった20年半ば以来のリセッション(景気後退)に陥る可能性が出てきた。
ハイ投資証券のエコノミストは「第1・四半期のプラス成長の可能性はゼロとみていたが、貿易統計を踏まえマイナス成長が確実になった」と述べた。
秋慶鎬・企画財政相は、通商関係当局者との会議で、中国の長期休暇といった一時的な要因が輸出不振の原因と説明。中国の経済再開が向こう数カ月の貿易改善を後押しするとの見通しを示した。
「政府は貿易収支の改善時期を早めるため、利用可能な全ての政策資源を動員して輸出を促進する」と述べたが具体的な内容には言及しなかった。
輸入は前年比2.6%減で、市場予想(3.6%減)よりも小幅なマイナスとなった。
政府は今年の輸出が4.5%減少すると予測しているが、産業通商資源省はマイナスを回避するためにできる限りのことをすると表明している。
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