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韓国で尿素水が不足、物流や工業セクター混乱 中国が輸出制限

[ソウル 9日 ロイター] - 韓国でディーゼル車の運行や工場の操業に必要な尿素水が不足している。尿素水は排気ガスの浄化に使われており、不足が続けば、物流や工場の操業がストップする恐れがある。

業界の専門家によると、韓国では貨物トラックを中心に約200万台のディーゼル車が尿素水の利用を政府から義務付けられている。

尿素の主要供給国である中国は先月、国内市場を優先するため、輸出を制限。産業通商資源省によると、1─9月に輸入した尿素の97%近くは中国産だった。

あるトラック運転手はロイターに、尿素水を確保するため、ガソリンスタンドに慌ててトラックを飛ばしたが、行列ができており、自分の番は回ってこなかったとし、このまま尿素水が手に入らなければ、明日から仕事が続けられなくなると語った。

大手製油所の幹部によると、トラックの運行が止まれば、ガソリンスタンドにガソリンを供給できなくなる事態も想定される。同幹部は「ガソリンスタンドが十分な供給を受けられなければ、ほぼすべての産業で物流コストが上がり、最終的には消費者も負担を迫られる恐れがある。日用品の値上げにつながりかねない」と述べた。

さらに大きな影響を受ける恐れがあるのが工業部門だ。同部門も環境汚染対策の一環で尿素の利用を義務付けられており、尿素が不足すれば、生産が止まる恐れがある。

環境省によると、2020年に輸入された尿素83万5000トンのうち、工業用は34.7%、車両用は9.8%、残りは肥料用だった。

メーカーのある関係者は、工業部門の尿素在庫がすでに低水準となっていると指摘。「われわれにできるのは、政府に環境規制の緩和を求めることだ」と述べた。

<自動車産業にも懸念が広がる>

韓国の自動車技術研究所の幹部は、尿素不足が続けば、自動車メーカーの部品調達が難しくなると予想。部品メーカーが輸出用部品を港湾に輸送できなくなれば、自動車メーカーの海外工場の生産に悪影響が出かねないとの見方を示した。

文在寅大統領は9日の閣議で「過度な懸念」は不要だと発言。政府は公的部門の尿素備蓄を放出しているほか、軍の備蓄も放出する計画だ。

今週は、ベトナムから200トンの尿素を確保。最大1万トンの確保に向けて他の諸国とも交渉を進めている。

韓国では、2015年以降に製造されたディーゼル車は、ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)を尿素水で浄化する「選択触媒還元」システムを搭載する必要がある。

尿素水がないと、乗用車は発進できず、トラックも最大時速20キロでしか走行できない。

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