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コラム

コラム:アマゾン絶頂期の黄昏告げる、ベゾス氏退任

[ニューヨーク 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ジェフ・ベゾス氏の引き際は、ある意味で見事だ。アマゾン・ドット・コム創業者のベゾス氏は思いがけないほど素晴らしい業績を達成した後に、最高経営責任者(CEO)の職務をクラウド事業AWS統括責任者のアンディ・ジャシー氏に引き継ぐ。そのジャシー氏が直面するのは、反トラスト法(独占禁止法)問題を巡る規制当局からの徹底的な調査を含め、これまでとは違う厳しい日常だろう。

まずは業績に目を向けてみよう。アマゾンは2日、2020年第4・四半期売上高が前年比44%増の1260億ドルだったと発表した。四半期ベースの売上高が1000億ドルを超えたのは初めてで、新型コロナウイルスの感染大流行がもたらした巣ごもり生活が宅配需要を押し上げた効果だ。もちろん年末商戦が好調だったこともある。

確かにこれは良いニュースだが、それ以外の材料はジャシー氏にとって相当大きな試練に思われるだろう。例えば営業費用は、世界全体の出荷が約67%増えたのに伴うコスト負担などから42%も増加した。また新型コロナのワクチン接種の進展は人々の生活にさまざまな選択肢を与えるため、アマゾンの事業環境には「逆風」だ。同社は今年第1・四半期の売上高が前期比で25%減ると見込んでいる。

こうしたハードルの存在が、今やアマゾン屈指の収益源になっているAWSを率いてきたジャシー氏に経営のかじ取り役が回った理由の1つかもしれない。AWSの増収率は第4・四半期に28%まで鈍化したとはいえ、粗利益率は他の事業よりずっと高い。全体の売上高に占めるAWSの比率は12%にとどまるのに、何と営業利益の半分以上を稼ぎ出しているのだ。

もっともまさにアマゾンの成功こそが、政治家や規制当局から目を付けられ続ける要素になる。第4・四半期業績を発表したこの日、同社は配送ドライバーへのチップ未払いを巡って提訴されていた問題で、連邦取引委員会(FTC)に6000万ドル強を支払って和解することに同意した。

アマゾンのCEOから解放されるベゾス氏は、私財を投じて立ち上げた環境基金「ベゾス・アース・ファンド」や、ワシントン・ポスト紙といった別の事業に専念する機会を得られる。一方、アマゾンの基本方針を決める一定の権限は今後も手放さない可能性が高いし、恐らく米政界などからの批判の矢面には自分が立つことになる。そして今年早い時期に過去最高水準に達したアマゾンの予想売上高倍率(時価総額を予想売上高で割った倍率)はなおも、この近辺で推移している。ベゾス氏がCEOを退くタイミングで、そんなアマゾンにとっての「左うちわ」の時代は終わりを迎えようとしている。

●背景となるニュース

*アマゾン・ドット・コムは2日、創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が第3・四半期中に退任し、執行会長に就くと発表した。CEOはクラウド事業を統括しているアンディ・ジャシー氏が引き継ぐ。

*この日アマゾンが発表した第4・四半期売上高は前年比44%増の1260億ドル。利益は72億ドル(1株あたり14.09ドル)で、前年同期の33億ドル(6.47ドル)を上回った。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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