June 29, 2018 / 10:49 PM / 5 months ago

焦点:輝くスペイン、沈むイタリア ユーロ圏国債相場で明暗

[ロンドン 27日 ロイター] - 今年上半期は、南欧諸国の国債の値動きにかつてないほどの格差が見られた。スペインがユーロ圏の主要国債で最も堅調だったのに対して、イタリアは最悪の相場展開になった。

 6月27日、今年上半期は、南欧諸国の国債の値動きにかつてないほどの格差が見られた。スペインがユーロ圏の主要国債で最も堅調だったのに対して、イタリアは最悪の相場展開になった。写真は2017年10月、バルセロナで撮影(2018年 ロイター/Yves Herman)

スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャはユーロ圏周縁国としてしばしば十把一絡げの扱いを受ける。だがスペインが今週実施した10年債の起債は、投資家の人気の高さを証明した。発行額70億ユーロに対して、26日の締め切り時点で240億ユーロを超える応募があったのだ。

トムソン・ロイターのデータによると、スペイン10年債の年初来のリターンは約3%で、他の南欧諸国だけでなく、ユーロ圏の指標であるドイツ国債も上回っており、イタリア国債の売りやスペイン国内の政権交代による混乱にもほとんど動揺しなかったことが分かる。ムーディーズは4月に今年3回目となるスペインの格付け引き上げに動いた。

こうしたスペイン国債のアウトパフォーマンスは、経済成長の加速や債務圧縮の取り組み、相対的な利回りの高さによって説明できる。

アバディーン・アセット・マネジメントの投資マネジャー、パトリック・オドネル氏は「スペインの動きは、ベルギーやアイルランドの後をたどっている。特にイタリアと比較して政策面のリスクが低く、ファンダメンタルズが改善している点と、数年にわたる改革の成果による相当な経済成長に基づくと、実質的にユーロ圏周縁国から準中核国に移行している」と述べた。

反対にイタリアは、10年債の年初来リターンがマイナス6.4%とユーロ圏で最もさえない。このままなら、6年続けてきたプラスのリターンが途絶えることになる。

5月半ばまではイタリア国債のリターンもプラスだったが、その後大規模な歳出計画を掲げた大衆迎合主義(ポピュリズム)的な連立政権が生まれ、同国がどこまでユーロ加盟維持に本気なのか疑念が生じている。

TSロンバードの戦略責任者アンドレア・チッチョーネ氏は「イタリアは構造的に問題を抱えており、スペインとイタリアの差は財政刺激に動ける態勢かどうかにある」と指摘。スペインは財政赤字を抑制し始めているが、イタリアは財政を活用できる余地がないとの見方を示した。

他の南欧諸国を見ると、ポルトガル国債の年初来リターンが1.4%と、より格付けの高いドイツに匹敵している。

欧州中央銀行(ECB)が今月、債券買い入れを年末に打ち切ったとしても、来年のかなりの時期まで政策金利を据え置くと示唆したことが、ユーロ圏の国債全般を支えている面もある。

それでもイタリアだけはこの恩恵に浴することができていない。今年に入って10年債利回りを比べると、スペインとポルトガルは約19ベーシスポイント(bp)、6bpそれぞれ下がったが、イタリアは90bp前後も上昇した。

(Dhara Ranasinghe、Abhinav Ramnarayan記者)

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