[3日 ロイター] - イタリア・オリンピック委員会(CONI)のジョバンニ・マラゴ会長は3日、東京五輪の陸上男子100メートルで金メダルを獲得した同国代表ラモントマルチェル・ヤコブス(26)のドーピング疑惑報道に「本当に不愉快」と憤慨した。
ヤコブスは1日に行われた男子100メートル決勝で欧州記録となる9秒80をマークし、五輪の同種目でイタリア人初となる金メダリストとなった。
ただ、ヤコブスは今年に入るまで10秒を切ったことはなく、今回の優勝はサプライズとして捉えられた。米ワシントン・ポスト紙は「陸上競技の歴史は、突然、大幅に(タイムが)向上したことに疑いの目を向けている」と同選手のドーピングを示唆するような記事を出し、英タイムズ紙も陸上競技の過去のドーピングを引き合いに、新しいスターの登場は懐疑的な見方が増えると報じていた。
マラゴ会長はライ・ラジオ1に対し、これらの声を「あらゆる観点から非常に残念で恥ずかしいもの」と非難。選手は組織的に毎日ドーピング検査を受けているとし、「国内記録や大陸記録を樹立すると、その数は倍増する。彼(ヤコブス)が検査数の多さが印象的だと言っていたほどだ。これは本当に不愉快なことで、敗北を受け入れられない人がいることを示している」と述べた。
なお、ヤコブスは今大会、「パフォーマンス向上作用」があるというカーボンソールのランニングシューズを着用した選手の1人だった。
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