[マドリード 25日 ロイター] スペインのマドリードは2020年夏季五輪の招致を目指しているが、経済危機の影響で病院や学校の予算が縮小される中、国民は多額の資金が必要となる五輪招致活動に疑問を感じている。
五輪招致に反対している男性は「銀行は救済措置が必要で、国にとっては財政援助が急務。政治家がいまだ(五輪招致に)熱狂していることは極めて無責任だ」と、国を厳しく非難した。
また、スペイン野党のスポークスマンは「国内経済の停滞は今後もしばらく続くとみられるため、五輪(招致活動)には適切な時期ではない」とコメント。「予算には限りがあり、五輪につぎ込んだらほかのことができなくなる」と述べた。
マドリード五輪招致委員会は、五輪開催は30万から35万もの雇用を創出し、経済の活性化につながると反論している。スペインでは国民の約4人に1人が失業しているという。
経済危機の影響で、イタリアのローマは2020年五輪招致を断念した。
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