[6日 ロイター] サッカーのイタリア・セリエA、ACミランのオーナーのシルビオ・ベルルスコーニ氏の弟で、同クラブの副会長を務めるパオロ・ベルルスコーニ氏が、先ごろACミランに加入したイタリア代表FWマリオ・バロテリに対して人種差別発言に及んだとして、波紋を呼んでいる。
伊スポーツ紙トゥット・スポルトの電子版は、P・ベルルスコーニ氏が「クラブの一員となった、頭のいかれた黒人坊やを見にいこう」と発言した映像を掲載。その後、この映像はイタリアの多くのメディアによって伝えられた。イタリアメディアによれば、これは3日にミランの近郊で開かれた政治集会の場でのコメントだという。
P・ベルルスコーニ氏の発言に対しては、インターネット上を中心に不快感を表すコメントが多く寄せられている。
ミランでは1カ月前、親善試合でガーナ代表MFケビン・プリンス・ボアテングらに対して相手ファンから人種差別的なチャントが起き、試合を放棄する事件が起こった。S・ベルルスコーニ氏が選手たちの行動を称えたばかりだった。
なお、ガーナにルーツを持つバロテリは、2012年欧州選手権(ユーロ2012)でも人種差別行為に苦しんだ過去がある。同選手はこの発言があったとされる3日、デビュー戦で2ゴールを挙げ、チームを勝利に導く活躍を見せていた。
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