[ヨハネスブルク 26日 ロイター] - 南アフリカのスタンダード銀行SBKJ.Jの偽造クレジットカードを使って日本の現金自動預け払い機(ATM)から多額の現金が盗まれた問題で、スタンダード銀は26日、問題に対処していると強調した。
同行の年次総会が開かれるなか、シム・チャバララ共同最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、問題は深刻だと述べた。ただそれ以上の詳細には触れなかった。
ベン・クルーガー共同CEOは、今回のケースで「チップ・アンド・ピン」よりも旧式で安全性が低い「磁気ストライプ」のカードが利用された点に言及し「こうしたカードは不正行為に利用されやすい」と指摘。その上で「南アフリカでは過去5年で『チップ・アンド・ピン』技術に多額の投資が行われてきた。それは、はるかにぜい弱な『磁気ストライプ』カードの悪用を防ぐためにほかならない」と話した。
関係者によると、犯罪組織とみられるグループは、日本各地のコンビニ店に設置されたATMからわずかの時間に1万4000回の引き出しを行い、14億円(1300万ドル)を盗んだとみられる。
南アフリカ中央銀行は25日、各行に警戒監視を強めるよう要請。クベン・ナイドゥ副総裁は、スタンダード銀が被害を受けたことを認めた上で「われわれは司法機関と協力し、こうした犯罪の防止や対応に努める」と語った。スタンダード銀が損失を負担することも確認した。
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