[パリ 12日 ロイター] - フランス・イタリア系半導体メーカー、STマイクロエレクトロニクスは12日発表した中期売上高目標で、遅くとも2027年までに年間売上高が200億ドルを超えるとの見通しを示した。営業粗利益率は30%を上回ることが期待できるとしている。中期目標の対象期間は2025─27年のため、市場環境次第ではより早い時期に目標を達成できる可能性もあるという。
200億ドル強という売上高は、今年の見通し上限の153億ドルからは約30%の増加となる。
投資家がデジタル経済を支えに長期成長が続く展開が予想されることを好感したため、同社株価は上昇した。
半導体業界は現在、フル稼働で生産しているが需要に追い付けず、主要自動車メーカーが品不足に見舞われる事態などが発生。こうした中で同社は、スマートフォンや自動車などの分野で急激に増大している半導体やセンサー需要に対応するため、増産の取り組みを強化していると述べた。自動車業界の電動化や新たなモバイル通信網の整備、クラウドサービスの大々的普及などが受注押し上げにつながっているとも説明した。
シェリー最高経営責任者(CEO)は、電気自動車(EV)のバッテリー充電能力改善に使われるシリコンカーバイド半導体の売上高が10億ドルに達する時期が従来の想定より1年早まって来年になると明らかにした。
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