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日経平均は506円高、米長期金利上昇一服で安心感:識者はこうみる

[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日続伸した。米長期金利の上昇が一服したことに加え、メジャーSQ(特別清算指数)算出を通過したことを受け、市場全体に安心感が広がり、ハイテク株を中心に買い戻す動きが活発化した。市場関係者に見方を聞いた。

 3月2日、東京株式市場で日経平均は4日続伸した。都内の株価ボードで2020年10月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

●やれやれ売りと配当権利取りの買い交錯に

<岡三オンライン証券 チーフストラテジスト 伊藤嘉洋氏>

メジャーSQ(特別清算指数)算出を通過したことによって、上ぶたが外れた格好になったが、週末という事情、さらに来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合など重要イベントが控えていることを考慮すると、先物の買い戻しによって大幅上昇したと思われる日経平均が2万9500円前後に位置する25日移動平均線を上回ってきたため、短期筋にとっては買い戻さざるを得ない状況になったのだろう。

ここにきて相場が戻り歩調となったのは、急上昇していた米長期金利が落ち着いたことにほかならない。上昇相場が過剰流動性に支えられてきた現実がある以上、今回の調整は当然の流れだった。金利上昇は景気回復期待を示す好材料であるのは事実としても、需給面でみれば「良い金利上昇」などはあり得ない。

日本株については、戻り相場に弾みを加えてきたが、日経平均で3万円以上では商いを消化していたためシコリ感が強く、やれやれの売りがかさみそうだ。一方、期末を控えて配当の権利取りが活発化するとみられ、売り買いが交錯して伸び悩む可能性がある。目先は、FOMCや日銀政策決定会合などのイベントが注目される中、神経質な展開となりそうだ。

●パウエル議長の市場との対話が注目点

<三菱UFJモルガンスタンレー証券 チーフ投資ストラテジスト 藤戸則弘氏>

急騰によって株式市場の調整を促した米長期金利は、1.5%台前半で落ち着いており、日米の株価は反発に転じている。本来なら、金利が上昇に転じる初期局面は、企業業績の好調を示すものであり、その意味で4日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言は正論である訳だが、あまりにも市場との対話が下手過ぎた。その意味で、2013年のバーナンキ・ショックを思い出す。

当時は、発言後に米ダウは1カ月で6%下落、日経平均は22%下落。米長期金利上昇は他国の通貨安も伴うため、とりわけ新興国へのダメージが大きく、ブラジルのボベスパ指数はおよそ半値までの下落を演じた。今回も、現時点でテーパリング(量的金融緩和の縮小)に踏み込むことになれば、同様の状況が訪れても不思議ではない。

長期金利については、緩慢な上昇であれば、そこから企業業績の好調を買い、株価が上昇するというロジックが成り立つが、急激な上昇となれば今回のように明らかに株価のマイナス材料になるだろう。当面はパウエル議長の市場との対話が注目点となってくる。

いずれにせよ、経済が正常化に進んでいることは確かなため、大きな流れとしての株価上昇トレンドには変化がない。ただし、日本株については、米国との間に景況感格差、その根底にはワクチン業績の格差が生じており、今後、日本株は米中好景気による輸出増から上昇するとしても、出遅れる可能性がある。バーナンキ・ショックのような事態になれば、下げ方も相対的に大きくなるかもしれない。

テーパリングの議論による大きな調整が想定されるため、通常のバイ・アンド・ホールドではリスクがあり、ポートフォリオのきめ細かなケアが必要になりそうだ。

●日欧金融当局のサポートで市場に安心感

<大和証券 チーフテクニカルアナリスト 木野内栄治氏>

来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合など重要イベントを控えている中、懸念される米長期金利の上昇についてパウエル連邦準備理事会(FRB)議長が歯止めに失敗したことを日銀、欧州中央銀行(ECB)と日欧でサポートした格好となり、これが株式市場で安心感を誘ったようだ。米国を含めて各国中央銀行とも、長期金利の上昇を好んでいないとみられ、パウエル議長がFOMC後に長期金利上昇に対して明確にくぎを刺すことが期待されている。

一方、当面の株式市場で注意しなければならないのは需給面だろう。きょう算出されたメジャーSQ(特別清算指数)に絡んだ注文は買い優勢だったと推測されるものの、板が厚くなったところに実需売りがぶつけられた形跡がある。投資主体別売買動向で信託銀行の売りが注目されているが、3月期末を控えてこうした売りによる需給悪化が懸念される。特に、昨年来買われた銘柄については注意が必要になりそうだ。

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