September 14, 2018 / 7:06 AM / 2 months ago

コラム:先進国株、低迷する新興国株に引きずられるか

[ロンドン 13日 ロイター] - 先進国株と新興国株が連動して動くという構図は消えてしまった。相関性の崩壊ぶりは、一部の尺度に基づくと過去20年余りで見たことがないほどになっている。

 9月13日、先進国株と新興国株が連動して動くという構図は消えてしまった。写真はニューヨーク証券取引所。12日撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

そこで問題は、新興国株が持ち直して先進国株のパフォーマンスに追い付くのか、あるいは今年新興国株が見舞われた混乱が最終的に先進国にまで波及するのかという点になる。

新興国株が底を打ちつつあるという論拠はある。とはいえ何と言っても弱気相場に入っており、投資家は急いで市場に戻ってこようとしていない。アルゼンチンやトルコの危機は、そうした慎重姿勢が正しいことを示唆している。

いずれにしても先進国株の足場は脆弱だ。

月次ベースのMSCI新興国株指数と米S&P総合500種の相関係数(1は相関度が最も高く、ゼロは最も低い)は現在0.38と、1996年4月以来の低さで推移している。4年ぶりの高水準だった1月の0.76からは半分になった。

相関関係の崩れは5月に鮮明となった。アルゼンチンおよびトルコのイベントに、貿易摩擦激化に伴って中国経済の勢いの弱まりに拍車が掛かったことが加わり、新興国を取り巻く情勢は急速に悪化。対照的に米国株は、主にハイテクセクターの反発のおかげで魔法のように蘇った。

2014─15年にも新興国株と先進国株の相関性が大きく低下し、15年7月には係数が0.48と当時としては1997年以降で最低水準になった。

既にMSCI新興国株指数はやはり弱気相場に突入しており、16年初めまで下げ続けた結果、下落率は約35%に達した。そして米国株がどう動いたかが大いに参考になる。

S&P総合500種はしばらく堅調を維持していたが、15年8月についに売りに屈して数週間で10%下落。その後いったん値を戻したものの、数カ月経過すると再び売り込まれ、16年初めにさらに15%下がった。

では今回も歴史は繰り返すのだろうか。

それはドルに左右される面が大きいかもしれない。今年のドル高は、米長短金利上昇と相まって、ドル建て債を多く抱えた新興国市場に打撃を与えた。

もっともドイツ銀行のアナリストチームはドルが今世界で最も過大評価された通貨とみている。ドルが反落すれば、新興国株の売り圧力は和らぎ、大胆な投資家は割安感から新興国株の買いを再開したくなるかもしれない。

しかし新興国株にはさらなる下落リスクが残っている恐れがある。EPFRによると、今年初めには新興国株ファンドへの累積的な資金流入額が1000億ドルと13年以来の水準に膨らみ、ここ数カ月で逆流し始めたものの、利食いの動きがもっと活発化する余地がある。

バークレイズのアナリストチームは「われわれは新興国株が過去数カ月でアンダーパフォームしてきたと認識しているが、投資拡大には時期尚早だと考えている」と述べた。

ゴールドマン・サックスのアナリストチームはもう少し楽観的で、新興国株のロングポジションを維持し、MSCI新興国株指数の目標水準を1250としていた。

ところが同指数は今週、1000を割り込んで過小評価の度合いが一層進み、ゴールドマンが「重要な」下値めどとみている16年1月の相対評価サイクルにおける底を5%下回っていると推測される。

一方米国経済と企業利益、株式市場は新興国や他の全ての地域と比べて好調が続いている。ただし10年近くになろうとしている景気拡大と強気相場については、サイクルの終盤に差し掛かっていて、財政刺激策のおかげで勢いが保たれている公算が高まってきた。

ファゾム・コンサルティングによると、米国が景気後退に突入する確率は、来年末までには過去60年余りと同じぐらい高まるという。

誰もがそうした見方を認めているわけではないが、米国債の長短利回り差はあと20ベーシスポイント(bp)ほどで逆転する地点まで縮小しており、景気が減速する流れにあると分かる。また過去の経緯からすると、逆イールド化の後には常に景気後退が起きた。

JPモルガンのニコラウス・パニギルツォグロウ氏は「いずれ財政刺激は消えてなくなる。われわれはその国内総生産(GDP)や企業利益の押し上げ効果が一時的だと承知している」と強調する。

米国株が近いうちに、景気の反転を織り込み始めてもおかしくはない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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