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アングル:決算本格化、「第2の安川」探し活発 進捗率で物色も

[東京 20日 ロイター] - 4―6月期の決算発表シーズンを控え、市場では安川電機に続く好業績株を探す動きが活発化している。世界的な景気回復の波に乗り、通期予想が市場の期待を上回れば好感され、早期の業績上方修正に企業が慎重だとしても、進捗率が高ければ市場が業績上振れを織り込む可能性もある。

 7月20日、4―6月期の決算発表シーズンを控え、市場では安川電機に続く好業績株を探す動きが活発化している。写真は都内にある東京証券取引所。昨年10月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

<想定外の早期上方修正>

安川電機の9日の決算発表はポジティブサプライズとなった。2022年2月期の連結営業利益(国際会計基準)見通しを前期比ほぼ倍増の540億円へ上方修正すると発表したためだ。中国経済の鈍化が警戒されていたが、想定外の上方修正となり、12日の東京市場で同社株は一時7%を超える上昇となった。

第1・四半期という初期段階で業績見通しを引き上げたのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響でいったん見送られていた顧客の投資計画が改めて動き出したほか、感染症拡大を踏まえた自動化・省人化ニーズの高まりや、顧客の先回り発注が想定以上に膨らんだことが大きな要因だ。

同社の決算期は2月だが、3月期決算企業の「先行指標」とされ市場の注目度が高い。ファクトリーオートメーション(FA)業界では、各社の業績は市場動向との連動性が高いとされ、安川の好調を受けてファナックなどの競合先にも「期待値が上がった」(国内証券)という。

<世界の「リオープン」を享受>

地域別では、中国だけでなく、欧米での売り上げの伸びが想定を超えたことが、安川の業績上方修正につながった。日本の内需は依然弱いものの、欧米ではコロナワクチンの接種の広がりで、経済正常化にいち早く向かおうとしており、世界経済の「リオープン(再開)」需要を受けやすい企業に注目が集まる。

自動車市場は世界的に、半導体不足などが影響し、新車の供給が間に合わないことで中古車の価格が上昇するほど引き合いが強い。

その半導体関連業界では、第5世代(5G)通信網や人工知能(AI)、ADAS(先進運転支援システム)などの進展もあり、需要拡大が続くと見込まれている。

化学工業や鉄鋼、非鉄金属といった素材セクターは、数量・市況価格の両面から追い風を受け「上方修正の可能性が高い」(野村証券の神谷和男・投資情報部ストラテジスト)との指摘もある。

<進捗率に注目>

ただ、保守的な日本企業の間では早期の業績上方修正は控えられるかもしれない。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、コロナ禍の影響が長引いていることもあり、「上方修正が本格化するのは中間決算以降」との見方を示す。

このため、今回のシーズンで手掛かりにされそうなのは、通期予想に対する4―6月実績の進捗率だと、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは指摘する。「今回は業績予想の上方修正がなくても、進捗率が30%や40%となれば、市場は業績の上振れを織り込み始める」と話す。

安川の通期の従来予想に対する進捗率は約30%。コロナ禍前の19年3―5月期の約15%や、滑り出しが好調だった18年の同26%を上回る水準だった。「上期を中心に見える範囲で修正した」(同社広報担当者)としており、中間期以降のさらなる上方修正余地もありそうだ。

世界株全体に調整ムードが強まる中、好業績株も含めて売りが強まっているが、ファンダメンタルズと大きく乖離するような場合は、買いのチャンスでもある。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、良好な決算でも売られるような矛盾した動きは、市場がミスプライシングしている可能性があると指摘する。

シーズン序盤には日本電産やファナック、東京エレクトロンといった注目企業の発表が予定されている。好業績が並べば、市場のセンチメントも改善するとの期待感も大きい。

(平田紀之 編集:伊賀大記)

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