August 24, 2015 / 3:34 AM / 4 years ago

世界株安連鎖、日経平均は一時900円超安:識者はこうみる

[東京 24日 ロイター] - 週明け24日の東京市場では、日経平均は前日比で一時900円超安と株安が進行。中国経済の減速をきっかけとした世界景気への懸念が広がり、前週末の欧米株の大幅下落を受け、主力株への売りが継続した。

 8月24日、週明け午前の東京市場では、株安が進行。中国経済の減速をきっかけとした世界景気への懸念が広がっている。写真はニューヨーク証券取引所で21日撮影(2015年 ロイター/Brendan McDermid)

また、日中の株安を受けてドル/円も約1カ月半ぶりに一時120円台に突入し、下値を探る展開となった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●処分売りは一巡、相場安定には時間必要

<岡三オンライン証券チーフストラテジスト 伊藤嘉洋氏>

日経平均は後場1万8500円台まで調整し、目先の処分売りは一巡したとみている。信用取引の追い証(追加担保差し入れ)発生に伴う投げ売りも出て、セリングクライマックス的な商状といえる。騰落レシオ、25日移動平均線かい離などテクニカル面だけでなく、バリュエーション面でも売られ過ぎは明らかだ。日経平均は2007年7月9日終値1万8261円が強い下値支持線になる。ここからの値幅的な調整は限定的だろう。もっとも、不安心理が残っている間はリバウンド余地も少ない。相場が落ち着くには時間が必要になる。

●個人の追い証発生懸念で建玉整理

<楽天証券 シニアマーケットアナリスト 土信田雅之氏>

日経平均1万9000円割れを受け、個人投資家の追い証発生を懸念した建玉整理の売りが出ているようだ。東証マザーズやジャスダックなど、新興株には売り越しが目立っている。主力大型株には押し目を拾う動きもみられるが、中国株の動向などが懸念されるなかでは打診買い程度だ。日経平均は1万8500円台まで突っ込んだあと、下げ幅をやや縮小した。さすがに下げ過ぎとの見方から買い戻しが入ったのだろう。もっとも今週は米4─6月期GDP改定値など米経済指標の発表が予定されており、米利上げ懸念が強まりかねない状況の中では見送りムードが強まりそうだ。

●日本株売りがドルを下押し、120円がサポート

<クレディ・アグリコル銀行 エクゼクティブディレクター 斎藤裕司氏>

8月下旬までは、季節要因からファンド解約の調整が進みやすかった。この中で中国に端を発するリスク回避ムードが出たため、含み益のある日本株が売られてヘッジ目的の円ショートが巻き戻され、ドル/円は下押しされた。

週末に、期待された中国の政策発動がなかったことで、もう一段の調整が進みやすい地合いでもあった。中国株が落ち着かない限り、他の金融市場も連れ安となりやすい。

ドル/円は、年初来安値となる115円台後半からの3分の2戻しの水準が、心理的節目でもある120円付近に当たり、目先のサポートになりそうだ。瞬間風速的にこの水準を割り込む場面はあるかもしれないが、割り込めば買いたいと考えている投資家は多い。

週末にかけては引き続き中国の政策発動への思惑があるほか、29日に米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長の講演が控えており、利上げに前向きな発言があれば再びドル高機運が高まる可能性がある。

●高値警戒感、長期金利0.350%意識

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

株式相場はグローバルに大幅下落となっているが、円債市場は大きく反応していない。背景に高値警戒感があるためだ。10年カレント物の出来高は薄く、市場参加者は模様眺めになっている。

また、市場参加者が想定していたレンジ下限の0.350%が意識されている面もある。0.4%割れから0.350%まで意外に速く低下したとの印象もあり、他市場に比べると先にリスクオフ・モードになっていたという感じがある。

日銀の追加緩和期待が盛り上がるなど大きな変化がない限り、金利の一方的な低下は考えにくいのではないか。思い切ってリスクを取ってもリターンが限られるとの見方があるようだ。

当面の10年最長期国債利回り(長期金利)のレンジは0.320─0.370%を想定している。

米債市場に関しては、現状の株安などの市場環境を踏まえると、9月の米利上げ観測が後退する可能性があり、当面は米10債利回りで2%挟みになりそうだ。さらに世界的に株式相場が下落するようなことがあれば金利に低下圧力がかかり、1.9%が視野に入ってくることも考えられる。

●上海株落ち着くまで下げ止まりにくい

<みずほ証券ストラテジスト 永田尋嗣氏>

25日移動平均線とのかい離が7%を超えているほか、バリュエーション面からみても東証1部の予想PERは2月以来の17倍割れまで調整している。日本株が一方的に売られる理由は乏しいが、世界的なリスク回避が続いている中では押し目買いも入れにくい。これまでの株高で利幅が出ている投資家も多く、売りを出しやすい状況だ。

公的マネーの買いが多少入っても、相場のトレンドを変えるには至らないだろう。上海株が落ち着くまでは、日本株も不安定にならざるを得ない。

●米利上げ控え投資家心理がナーバスに

<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>

8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が約6年半ぶりの低水準に落ち込み、中国景気の減速懸念が強まったことが株安の背景とされるが、中国景気の減速は今に始まったことではない。9月米利上げが視野に入り、投資家心理がナーバスになっているなかで過剰なリスクオフが進んだことが背景だろう。

前週末の米国株が急落したため、週明けの日本株の大幅安は仕方ないが、売り一巡後は買い戻しなどで下げ幅を縮めるのではないか。日経平均1万9000円割れ水準では、公的年金などによる買い期待も根強い。

もっとも、株価が切り返しても当面は落ち着かず、9月米連邦準備理事会(FOMC)までは不安定な値動きが続きそうだ。

●政策期待、株安・金利低下に歯止めも

<岡三証券・債券シニアストラテジスト 鈴木誠氏>

中国経済の減速が世界経済の成長鈍化につながるとの警戒感から、グローバルに株式相場は調整色を強めている。今後の注目は、中国を中心にした各国の政策対応。政策への期待感から、一方的な株価下落、金利低下の流れにいったん歯止めがかかる可能性もある。市場に観測が出ていた9月米利上げは先送りされるのではないか。

主要な国債市場は、安全資産として需要が高まっている。円債市場で上値を模索する動きが続いているが、高値警戒感から国内投資家の慎重な姿勢も目立っている。10年債利回りは年内0.25─0.55%を予想している。

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