July 4, 2018 / 6:58 AM / 12 days ago

焦点:欧州で株アナリスト減少、MiFID2規制が影響

[ロンドン 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)が今年初めに新たな規制を実施し、株式の取引執行費用と調査費用の分離を義務付けたことで、欧州株の調査を担当するアナリストの数が減っている。特に小型株担当のアナリストで減少が目立ち、投資家は一部セクターで企業の経営実態が把握しにくくなった。

 6月29日、欧州連合が今年初めに新たな規制を実施し、株式の取引執行費用と調査費用の分離を義務付けたことで、欧州株の調査を担当するアナリストの数が減っている。写真は1月、ロンドンのブローカー(2018年 ロイター/Simon Dawson)

EUは1月に新たな金融資本市場の包括的規制である「第2次金融商品市場指令(MiFID2)」を導入。資産運用会社は、「セルサイド」と呼ばれる金融機関に支払う取引執行費用と株式調査費用を区分けすることが必要になった。これまでセルサイドは資産運用会社に無料で調査レポートを提供していた。

新規制を受けて資産運用会社は購入する調査レポートを絞り込む公算が高まり、セルサイドは中小企業を中心に調査対象銘柄を削減さざるを得なくなりそうだ。

ロイターの調査によると、MiFID2導入後の今年上半期に担当アナリストの減少が最も大きかった国の1つが英国。MSCI英小型株指数をカバーするアナリストの人数の中央値は9人から8人に減った。

イタリアを担当するアナリストの中央値も減少。他の国のほとんどでは担当アナリストの数に変化はなかった。

FTSE100指数.FTSEを構成する大企業を含むFTSEオールシェアズ.FTASでも同様の傾向がみられ、1銘柄当たりの担当アナリスト数の中央値は10人から9人に減り、平均値も10.8人から10.1人に下がった。

株式調査担当アナリスト減少は大きな流れでもある。FTSEオールシェアズをカバーするアナリストの平均人数は2014年以降に30%程度減っている。

主要国で小型株指数担当アナリストの数が唯一増加したのはスイスだが、他の欧州諸国に比してそもそも担当範囲が狭い。

ロイターの調査では、1月時点で最も担当アナリストの数が多かったのが英国で、これは国内のセルサイドが大手外国勢と競合していたためだ。

しかし関係筋によると、英国に拠点を置くセンコスは調査対象企業が現在は約150社となっており、昨年12月の170社、2016年末の195社から減っている。センコスは3月、調査部門の昨年の収入は前年比41%減の290万ポンドと発表した。

もっとも業界関係者の話を聞くと、調査対象企業の数が減ってもセルサイドでアナリストがだぶついている様子はみえないという。

欧州をカバーするアナリストのランキングなどを発表しているエクステルを率いるデービッド・エンティクナップ氏は「アナリストの数は減っていないし、実際にはわずかだが増えている」と話す。「セルサイドはすぐに動くのではなく、MiFID2の影響を見極めようとしている」という。

マッコーリーは5月、アナリストを一部解雇し、欧州株の調査を主要な6セクターに絞り込むと発表した。ただ他のセルサイドは人員を拡大しており、ドイツのベレンベルクは年初以来、中小型株を担当するアナリストを12人程度増強した。

(Alasdair Pal記者)

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