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コラム:高まる世界成長懸念、株式アナリストも不吉な分析

[ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 世界的な成長鈍化を警告するシグナルが増えているが、今度は株式アナリストから悲観的な分析が飛び出した。通商紛争、米国の漸進的な金融引き締め、借り入れコストの上昇など悪材料に事欠かないが、この程度では済まないようだ。

 2月20日、世界的な成長鈍化を警告するシグナルが増えているが、今度は株式アナリストから悲観的な分析が飛び出した。写真はニューヨーク証券取引所。19日撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

モルガン・スタンレーによると、MSCI世界株価指数を構成する先進23カ国では企業業績見通しの引き上げ件数が引き下げ件数を上回る国が2013年以来初めてゼロとなった。17か国で引き上げ件数が引き下げ件数を上回っていた6カ月前から様相が変わった。過去20年でみると、こうした現象は全米経済研究所と経済政策研究センターによる米国かユーロ圏の景気後退認定と同時期に起きることが多い。

まだ景気後退は起きていないが、成長は鈍りつつある。

米国の統計は先週発表された1月の小売売上高と鉱工業生産が悪化して景気減速への警戒感が強まった。さらに今週初めに発表された中国の1月自動車販売台数は前年比で16%も落ち込んだ。

イタリアは昨年末に景気後退に突入。ドイツは昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)成長率が0.02%のプラスとなり、リセッション入りを辛うじて免れた。しかしドイツ銀行の試算によると、0.02%という成長率は、金額でみれば宝くじ「ユーロミリオンズ」の15日の当選金額1億6000万ユーロよりも少ない。

各国中央銀行は警戒している。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は金融政策における忍耐強さを強調し、タカ派として知られるクノット欧州中央銀行(ECB)理事(オランダ中銀総裁)も利上げに消極的な姿勢を示した。現実を直視する動きが広がれば、今後重要な統計が予想外に悪化しても投資家の動揺は小さくて済むという理屈は成り立つ。

しかし悪い数字の重みで、投資家の忍耐力が試されるかもしれない。各種統計の発表値と予想の乖離度合いを示す「シティ・エコノミックサプライズ指数」は今月初めに先進10カ国で、実績値の予想からの下振れ度合いが2013年以来、最大となった。

またモルガン・スタンレーの集計によると、年初来の決算発表報告書では「スローダウン」という単語の出現数が過去最高を記録。こうした動きは景気下振れリスクがコンセンサスとなることを示している。

歴史が必ず繰り返すとは限らない。しかし、世界同時的な成長鈍化が幅広い景気減速に転じるスピードや、金融政策による景気刺激の余地が小さいのは心配だ。株式アナリストも悲観論を唱える陣営に加わった。

●背景となるニュース

・モルガン・スタンレーが1年後の企業業績予想の3カ月平均を用いて試算したところ、MSCI世界株価指数の構成国は見通しの引き上げ件数が引き下げ件数を上回る国が皆無となった。これは2013年以降で初めて。

・モルガン・スタンレーによると1980年代以降、業績見通しのこのような悪化は、全米経済研究所と経済政策研究センターによる米国かユーロ圏の景気後退認定とほぼ同時に起きることが多い。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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