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法人税5%下げ・証券優遇税制2年延長、財源ねん出後回し

 [東京 14日 ロイター] 政府は14日、2011年度の税制改正で焦点となっていた法人実効税率の5%引き下げや、証券優遇税制の2年延長を決めた。

 12月14日、政府は14日、法人実効税率の5%引き下げや、証券優遇税制の2年延長を決めた。写真は昨年12月都内で撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 しかし、デフレ脱却と成長戦略の名の下に、減税措置に恒久財源を求める原則は後回しとなった格好で、11年度予算編成での新規国債発行枠の順守に向け、政府は厳しい財源ねん出を迫られる。

 <「降りて」きた財務相>

 11年度税制改正の焦点のひとつだった証券優遇税制は、14日午後に野田佳彦財務相と自見庄三郎郵政・金融担当相が2度にわたって会談。1度目の会談では、野田財務相が妥協案として軽減税率の1年延長を打診したのに対し、自見金融担当相は3年の延長を主張。自見金融担当相は2年へ譲歩したが決着せず、いったん協議は決裂した。数時間後に行われた2度目の会談で、野田財務相が2年延長を受け入れた。

 自見金融相は会談終了後、財務省内で記者団に対し「財務相に今の厳しい経済情勢を分かっていただけた。私の意思通り(2年に財務相が)降りてきた」と説明。「私の主張が、率直に言えば120%通った」と、連立与党の一員として存在感を強調した。

 <法人税減税は財源確保原則の例外>

 政府税制調査会(会長:野田財務相)は14日午後の全体会合で、国税と地方税を合わせた法人実効税率を5%引き下げることを正式に提案、了承した。特別償却制度の廃止・縮減や欠損金の繰越控除制度を見直し、課税ベース拡大などで6500億円の財源を確保する。

 13日夜の菅直人首相指示に沿った結着だが、5%引き下げに必要な財源は約1兆5000億円。見合い財源との隔たりは大きい。当初予定していた証券優遇税制の廃止は一転して2年の単純延長となり、財務省は目算が狂った。

 五十嵐文彦財務副大臣は14日の税調終了後の会見で「法人税は今回のペイゴー(恒久財源確保の原則)の例外となった」と認めた上で、「日本の財政に責任を持たなければならない立場としては、ペイゴー原則は極めて重要。しかし、政権の意思として例外とするとの総理の決断なので、尊重し、努力する」と財源捻出に一段の努力を表明した。

 <繰り返された「44兆円は守る」>

 しかし、その財源については「まさに議論の最中。できるだけ確保に努めたい」(海江田万里経済財政担当相)、「これから調整しなければならない」(野田財務相)など、閣僚から「今後」の検討とする発言が続出。政治主導の予算策定となるはずが、各省トップから具体的な財源案に言及はなく、仙谷由人官房長官からは財務省が「財源を必ず掘り出してくる」と財務省頼みの発言まで飛び出した。

 政府は11年度予算で歳出の大枠71兆円、国債発行枠44兆円以下とする方針を閣議決定している。法人税引き下げの財源を問いただす記者団に対し、閣僚からは方針を守るとの発言が相次いだが、野田財務相は14日朝、達成が「厳しくなった。相当厳しい」と表情を曇らせた。「これは予算編成の基本方針中の基本。賢明に努力したい」と続けるのが精一杯だった。

 (ロイター 基太村真司記者 吉川裕子記者 伊藤純夫記者)

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