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ギリシャ債務交換こうみる:神経質な展開、強制的な債務交換も=第一生命経済研 田中氏

 <第一生命経済研究所 主席エコノミスト 田中理氏>

 ギリシャの債務交換案「民間部門関与(PSI)」の動向が注目を集めている。8日の債務交換の参加表明期限、12日に実際に債務交換が行われるまでは、市場参加者は神経質にならざるをえない。

 ギリシャ政府はアメとムチで債務交換への参加を促そうとしている。ムチは強制的な債務交換に切りかえる集団行動条項(CAC)の準備。一方でアメはキャッシュに近い欧州金融安定ファシリティー(EFSF)債や成長率が高まれば恩恵を受けるGDP連動債での受け取りなどだ。

 大手金融機関を中心に参加を表明する動きもあるが、一方でネットでCDSの買い手になっておりクレジットイベントになっても困らないヘッジファンドなどは、債務交換に従う必要がない。CDSの履行によって損失が穴埋めされるためだ。いわゆる95%を超えるような非常に高い参加率を確保できなければ、政府や国際通貨基金(IMF)が描くような債務削減効果は期待できない。高い参加率は正直、難しいのではないか。結果的にCDSのトリガー、信用イベントという形で、強制的な債務交換に切りかわる確率が高まってきている。

 問題はCDSのクレジットイベントが、何を引き起こすかが不透明なことだ。過去には、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が注目を集めたが、CDSの売り手の損失発生がどのような形になるかが、金融市場の不安心理を高めている。

 公表数字をみれば、信用事由となった場合の売り手の金融機関の支払合計額は大きなものではない。ただし、相対取引ということもあり、権利関係は完全に把握されておらず、金融市場の受け止め方もなお不透明で、ギリシャ以外の国への危機波及懸念につながるのではないかとの警戒感もある。

 当局者の発言などから、欧州中央銀行(ECB)が3年物流動性供給オペ(LTRO)を打ち切る可能性も浮上している。一連の危機を側面支援してきたECBの動向も、市場心理の重しとなっている。

 (東京 7日 ロイター)

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